Chereads / 婚約破棄された彼女は美しく凛々しい大物に / Chapter 34 - 第34章 貧乏な親戚?

Chapter 34 - 第34章 貧乏な親戚?

渡辺奥様はここまで考えると、目を輝かせて藤本凜人を見つめた。「凜人、少し面倒をかけるかもしれないけど、さっきの寺田さんのことを調べてもらえないかしら?」

渡辺昭洋は意味が分からず、「どうして?」と尋ねた。

渡辺奥様は笑顔を浮かべて言った。「もし私の推測が正しければ、あなたは姪に救われたのかもしれないわ!」

「……」

藤本凜人はこの言葉を聞いて、背後にいる倉田健祐に言った。「寺田さんの情報を渡辺おじさんと渡辺お母さんに送ってください。」

倉田健祐が調査結果を送信した後、双方で資料を確認し合うと、渡辺奥様は大喜びした。「本当に彼女だわ!」

渡辺昭洋は目に涙を浮かべながら言った。「凛奈、なんて素敵な名前だ。早く彼女を呼んできて、会わせてくれ……」

手術をしたばかりで起き上がれなければ、すぐにでも飛んでいったことだろう。

残念ながら、倉田健祐が隣のVIP病室に人を呼びに行ったとき、寺田凛奈は寺田輝星に大きな問題がないことを確認して、すでに出ていってしまっていた。

しかし、寺田輝星から寺田健亮の電話番号を聞き出すことができた。

その後のことは、藤本凜人が介入する必要はなくなり、彼は素直にホテルに戻って息子と過ごすことにした。

一流ホテルの最上階。

藤本建吾は書斎で寺田芽と電話をしていた。

寺田芽は蜜を塗ったかのように甘い声で言った。「お兄ちゃん、あなたって本当に賢いわ!これでママが出てきて、あなたの潔白を証明できるわよ〜」

妹に褒められて、普段感情を表に出さない藤本建吾の頬が少し赤くなった。「君も素晴らしいよ。」

寺田芽は口を大きく開けて笑い、ロリータのような声で言った。「お兄ちゃん、昨日私のピンクちゃんを持って行っちゃったでしょ?今度返してね〜」

藤本建吾は本を持つ手を止めた。「ピンクちゃん?」

「うん〜あのピンク色のプリンセスドレスだよ!」

妹が服に名前をつけているなんて、本当に可愛い小さなお姫様だ。

そう思った瞬間、寺田芽が可愛らしく言った。「お兄ちゃん、ちょっと待ってね。チームメイトに一言言ってくるわ。」

藤本建吾はうなずいた。「わかった。」

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