Chereads / 奥様の正体が再び世界を沸かせた / Chapter 19 - 第19章 お前の良心は犬に食われたのか?

Chapter 19 - 第19章 お前の良心は犬に食われたのか?

百里紅裳は言葉を失ってしまった。

しかし、考えてみれば、久我月を裏切るなんて、中村楽の性格からすれば、やりかねないことだった。

「それに、中村少華がいるじゃない。彼がいる限り、中村楽は大丈夫よ」久我月は大きな窓際に立ち、外の往来を眺めながら、煙を吐き出してリングを作り、妖艶に笑った。

「薄情な女ね!」

百里紅裳は電話の向こうで目を転がしたが、師匠には見えないと思い直して、やめた。

少し間を置いて、話題を変えた:「池田滝が帰ったけど、石ヶ村の実験はどうするの?」

「放っておきなさい。しばらくは大丈夫よ」久我月は目を細め、少し上がった目尻には、傲慢な色が満ちていた。

「そうそう、暇があったら仕事を引き受けてね。師匠、お金がないの」

一橋邸。

中村楽は一橋家に縛られたまま連れて来られ、しばらくして眉をひそめながら竹内北を見た:「氷男、縄を解いてくれない?手が痛いんだけど」

「お前は犯人だ。犯人にそんな要求をする権利はない」竹内北は冷たく言い放った。

中村楽:「……」

しかし次の瞬間——

竹内北のいつも無表情な顔に、亀裂が入った。

この女は彼の目の前で、縄をほどいてしまったのだ!

自分は誰だ?

ここはどこだ?

目の錯覚か?

竹内北は心の中で三つの疑問を発した後、呆然となった。

「何見てんの?美人見たことないの?」中村楽はゆっくりと縄を外し、竹内北の足元に投げ捨て、片眉を上げて彼を見た。

その態度は、挑発的で傲慢だった。

竹内北の目尻が痙攣した。

もしこの女が中村様の姉でなければ、こんな横柄な態度で、明日の太陽を見させないところだった。

さらにしばらくして……

中村楽は本革のソファーに足を組んで座り、目の前には様々なフルーツが並べられ、手にはピーナッツを掴んでゆっくりと食べていた。とても気持ち良さそうだった。

竹内北と他の警備員たちは、もう気が狂いそうだった。

くそっ……

ここは七男の若様の邸宅なんだぞ!

ビジネス界の大物たちですら足を踏み入れる資格がないのに、運良く入れたとしても、みんな恐れ多くて縮こまっているというのに。

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