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俞晚晚は俞小満の手を引いて10分以上歩き、タクシー乗り場に着くと、突然電話が鳴った。
田如山からだった。
急かしているのだろうと思い、電話に出た。「田社長」
田如山が言った。「俞晚晚、こちらで急用ができてしまって、12時の飛行機に変更したよ。そんなに急がなくていいから、気をつけて来てくれ」
「……はい」
彼女が答えると、田如山はもう電話を切っていた。
白いビュイックが彼らの前に止まった。「タクシーを呼んだのはあなたたちですか?ナンバーの下4桁が0969です」
「はい」俞晚晚は運転手に頷いて答えた。すると俞小満は嬉しそうに彼女の手を振り払った。「おば、蘇おじさんの車だよ」
彼は笑顔で近づいていった。
蘇言深の車が近づいてきて、スピードを落とした。
車が止まり、窓が開いていた。俞小満の笑顔が突然消え、口元を引き締めて蘇言深に言った。「蘇おじさん、おばが出張で飛行機に乗らないといけないんだ。ネットでグッズを買ってくれるって」
彼は小さな足で後ろに2歩下がった。蘇言深の車に道を譲るためだ。
その小さな姿は、大人びていて心が痛むほどだった。
俞晚晚は我慢できず、ついに折れた。「飛行機が遅くなったから、1時間くらいなら一緒に回れるわ」
彼女は蘇言深を見て言った。「蘇社長がお構いなければ」
とても丁寧で、よそよそしかった。
蘇言深は歯を食いしばり、両手でハンドルを握りしめた。
心の中の怒りを抑えきれず、「乗れ」と言った。
「やった!」
俞小満は嬉しそうに蘇言深の車のドアを開けに行った。
配車サービスの車がまだ彼らを待っていたので、俞晚晚は歩み寄って謝罪した。「運転手さん、急用ができてしまって行けなくなりました。キャンセルさせていただきます。本当に申し訳ありません」
運転手は怒って言った。「何てことだ。庶民を馬鹿にしやがって」
アクセルを踏んで、怒りながら去っていった。
昨晩見かけたカードゲームショップは近くにあり、すぐに着いた。
ちょうど彼らが来たときに店が開いたところで、店員が掃除をしていた。
一通り見て回ると、個人経営の小さなカードショップで、商品は少なく、中古品の転売もあった。