「市内に戻れなかったので、彼女は春風町にある唯一の小さな病院に送られました。その夜、もう一人の産婦も続いて運び込まれてきて...」
「それで、その後は？」陸霆驍が尋ねた。実際には彼はその後に起こったことをおおよそ推測していたのだが。
寧夕は肩をすくめた。「その後はドロドロな展開になったのよ！その小さな病院は人手が足りなくて制度も乱れていて、二人の女の子が取り違えられちゃったの。しかもそれが18年も続いたのよ！知ってる？寧雪落は私と同じ血液型だったから、このことずっと気付かれなかったの！」
「じゃあ、どうやって発見されたの？」
寧夕は陸霆驍の方を向いて笑みを浮かべた。「それはね、私のあの自由奔放な二番目のおじさんのおかげなのよ！」
「寧耀邦？」陸霆驍には多少の印象があったが、詳しくは知らなかった。ただ、当時の帝都で有名な遊び人だったことは知っていた。
「そう、私の叔父は遊び人で、結婚してもあちこちで女遊びをしていて、子供まで作っちゃったの。彼には息子が一人と娘が三人もいるのよ！
寧家は風水が狂ったのかもしれないわ。この世代になって、寧耀華と寧耀邦の二人は頑張っても息子が生まれなくて、だから私の叔父の私生児が寧家のこの世代唯一の男の子になったの。
私の叔父はその頃すごく得意げだったわ。家産を相続できると思ったからね。でも後になって、その唯一の男の子が実は彼の実子じゃないことが分かったの。外で浮気相手に浮気されてたってわけ（笑）それでね、次はどうなったと思う？」
陸霆驍は彼女の目に宿る生き生きとした輝きが大好きだった。少し考えてから言った。「それであなたのおじいちゃんが怒って、寧家の全ての子孫のDNAを調べたら、寧雪落も寧家の人間じゃないことが分かった？」
寧夕は呆れ顔で、「もう、ちゃんと話聞いてくれる？...あなたに話の種明かしするの、全然面白くないわ！」
陸霆驍は軽く笑った。「ごめん、次は改善するよ。」
寧夕は鼻を鳴らしてから、話を続けた。「とにかく、いろいろ調べた結果、私と寧雪落が昔病院で取り違えられたことが分かって、それで私は寧家に引き取られたってわけ！」
