深夜。
プラチナ帝宮6号。
ベッドの上でコマのように転がっている金毛くんが、「くそくそくそくそくそ……」
雷明は向かいのソファに座り、あきれた顔で欠伸をしながら言った。「もう258回目のくそだぞ。今夜一体何があったんだ?」
江牧野は即座に目に殺気を宿し、小さな牙まで冷たい光を放っていた。「二百五十なんて数字を言うな!俺はまさに生きた二百五だ!寧小夕ちゃんが最後の0.1点を知能指数から引いたのは本当に的確だったんだ!くそくそくそ……俺はもう救いようがないほどバカだ!録音なんかして何の意味がある!なんで密かにビデオを撮らなかったんだ!なぜなぜなぜ……」
雷明は口角を引きつらせながら、まったく理解できずにいた。
ただし、一つだけ彼にはよくわかっていた。こうして発狂するのはいつも寧夕に関することだった。「牧野、お前、寧夕と復縁したいのか?」
江牧野は全身が石になったかのように固まり、悪意のこもった声で言った。「頭おかしいのか?あんな混蛋と復縁なんかしたくない!あいつのあの件のせいで、俺は今でも夜に悪夢を見るんだぞ!」
雷明は呆れた目で江牧野の恨み節のような表情を見ていた。心の中では明らかに好きなのに、口では強がっている。
実は彼はずっと、江牧野が当時すでに本気で寧夕を好きになっていたのではないかと疑っていた。そうでなければ、真相を知った時にあそこまで怒るはずがない。
今の寧夕に対する感情については、憎しみから愛が生まれたのだろうか?でも、手に入らないものが一番良く見えるということかもしれない!
江牧野がまだ転がっている最中、ベッドサイドに置いてある携帯が鳴り出した。
江牧野はまったく気分が乗らず、結局雷明が彼の携帯を取って一目見た。「お前の父親からだ。」
「親父?」江牧野は瞬時に跳ね起きた。
芸能界に入ったことで、親父と仇敵のようになっていたのに、今になって自分から電話をかけてくるなんて?
江牧野は心の中に不安が芽生え、すぐに電話に出た。
長い間連絡を取っていなかったことと、心に わだかまりがあったため、江牧野は「父」とも呼ばず、冷たい声で言った。「江會長がこんな遅くに何の用だ?」