二人は顔色を変え、怒りを抑えきれない様子で外に向かった。
「ちょっと待って」
ドアのところまで来たとき、喬綿綿が彼女たちを呼び止めた。
白曉が振り返り、険しい表情で言った。「まだ何か言いたいことがあるの?」
喬綿綿は唇を少し曲げ、視線を下に落とし、白曉が手に持っている袋に目をやりながら、軽々しく言った。「人は行ってもいいけど、物は置いていって。私の彼氏は、あなたたちが私と仲が良いと思って、プレゼントを買ってくれたの。あなたたちはもう私の友達じゃないんだから、彼がくれたものも返してもらえる?」
白曉と張雨薇が出ていくとき、二人ともそのスキンケアセットを持っていった。
「ふふ、あなたたちがそんなに高潔だと思ってたのに、人のあれこれを批判しておきながら、よくも人からもらったものを持っていけるわね。あなたたちの気骨はどこに行ったの?」薑洛離は二人にさんざん腹を立てていたので、当然この機会を逃さず皮肉を言った。
ドアのところまで来ていた二人の顔色が変わった。
張雨薇はまだ少し気骨があったようで、冷たい表情で袋を床に投げ捨てた。「返すわ。欲しくもないわ」
しかし、白曉は返したくなかった。
彼女は正々堂々と言った。「あげたものを、なぜ返さなきゃいけないの?このコスメセットはあなたが私にくれたんだから、もう私のものよ。私がどう処分するかは、私の勝手でしょ」
薑洛離は彼女の厚かましさに驚いた。
喬綿綿でさえ、今日まで3年間同じ部屋で暮らしてきたルームメイトのことを本当に理解できたと感じた。
白曉は言い終わると、袋を持ち、張雨薇の手を取って個室を出て行った。
*
「うわっ!」
二人が個室を出ていくのを見て、薑洛離は思わず罵声を上げた。「まさか白曉がこんなに厚かましいとは思わなかった。今まで彼女がこんな人だとは気づかなかったわ。張雨薇もね、内心がこんなに陰湿だったなんて」
「3年間同じ寮で過ごしたのに、私は彼女たちのことを全然分かってなかったみたい」