「うん、おじいさん」
「さあさあ、この数日間たくさん資料を集めたんだ。孫と二人でじっくり相談しよう、明日の行程をね」
秦書畫は少し驚いたように目を瞬かせて言った。「お父さん、あなたも一緒に旅行に行くの?」
実は、蘇千瓷の心の中も少し変な感じがしていた。
結局のところ、おじいさまは今年70歳だ。体がそんなに丈夫なのだろうか?
おじいさんは...本当に元気だなあ!
厲浔おじいさまは振り向いて目を見開いた。「どうしたんだ?ダメか?」
秦書畫は気まずそうな表情で「そんなことありません」と言った。
おじいさまはフンフンと顔を背け、心の中で悪態をついた。お前に何がわかるというんだ!彼は遊びたいわけじゃない、大事な用事があるんだ!
自分がまもなく成し遂げようとしている大事なことを考えると、おじいさまの気分は一気に良くなり、にこにこしながら蘇千瓷の手を引いてソファに座ろうとしたが、展示品のように立っている唐夢穎を一目見ると、また気が変わって言った。「孫嫁よ、書斎に行こう」
「はい」蘇千瓷は唐夢穎に会わないですむならそれに越したことはなく、すぐにおじいさんと一緒に書斎に上がった。
おじいさまは年を取っているが、若い頃はかなり遊び人だったことが伺える。
旅行の計画を立てるのが上手で、蘇千瓷はそれを見た後、全く意見がないと表明した。再び下りてきたときには、すでに午後5時過ぎだった。
「次男の奥様、食事の準備ができました。プールに行って二少様を呼んで食事に戻ってきてもらえませんか」
「彼、戻ってきたの?」
「はい、ついでに水も少し持っていってください。泳いだ後は脱水しやすいので」
「わかりました、任せてください」蘇千瓷はミネラルウォーターを1本取り、プールの方向に向かって歩き始めた。
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唐家と厲家は代々の付き合いがあり、長年の隣人でもある。
このプールは厲家のものだが、唐家と厲家の間に位置している。面積はそれほど広くなく、100平方メートル余りだが、康シティのこの一寸の土地も金に匹敵する地域では、これだけでも貴重な所有物だ。