寺田芽:?
やったことないの?
小坊主、本気で言ってるの?
彼女は自分が持っている携帯を見下ろした。これは兄のものだ。二人は毎回身分を交換するとき、交代したことがばれないように、携帯も一緒に交換していた。
ゲームをするために、彼女は二台の携帯を用意していたが、持ってきたのは兄のもので、王者栄耀がインストールされていなかった。彼女は口を開いた。「ちょっと待ってね、まずダウンロードしないといけないの!」
藤本はすぐに頷いた。「いいよ、急いでね。」
寺田芽は頷いて、ぽっちゃりした小さな指を器用に動かし、携帯を数回タップしてダウンロードを開始した。
一方、藤本悠佑は焦っていた。
今や彼は甥と同じ陣営にいるのだ!
そこで急いで近づいてきた。「何をやるの?僕が教えてあげる!」
藤本は知っていた。この叔父さんはゲームが上手で、配信もしている。彼に教えてもらえば、藤本建吾の下手さを際立たせることはできないだろう。
藤本の目が回り、ニヤリと笑って口を開いた。「建吾はこのゲームをやったことがないから、きっと慣れるのに時間がかかるよ。まずは僕たちでPKしてみようよ。そうすれば彼もゲームに慣れることができるし!」
PKとは、ゲーム内で一対一で戦うことを指す。
HPがなくなれば、死んでしまう。
藤本は考えた。初めてゲームをする彼は慣れていないはずだ。自分なら簡単に蹂躙して人頭を稼げるだろう。0対10以上の人頭比率で勝てば、きっとパパとおじいちゃんは褒めてくれるはずだ!
そして、ここにいる全員に見せつけることができる。藤本家の次世代で最も優秀なのは自分だということを。
藤本悠佑は普段頭が回らないが、この6、7歳の子供に対しては、瞬時に彼の意図を理解した。
彼は焦った。「だめだ!」
藤本:「どうしてだめなの?」
藤本悠佑は咳払いをした。「いきなりPKなんてないだろう。建吾にとって公平じゃないと思う。」
藤本は理論的に反論した。「不公平じゃないよ。これで藤本建吾の実力も見ることができるし、建吾、僕とPKする勇気がないの?」