Chereads / 藤原奥様は弱虫でお世話が必要? / Chapter 298 - 第298章 雲泥の差

Chapter 298 - 第298章 雲泥の差

松下達也は軽蔑した表情で言った。「高倉海鈴のような女は表に出せたものじゃない。少しばかりの貯金があるからって全部隠しているなんて。あなたは慈善事業のために東奔西走しているのに、どうして彼女はあなたを見習えないのかね?」

八尾夢子は得意げに笑った。

しばらくして、オークションが正式に始まった。

最初の競売品は書画だったが、有名な画家のものではなかったため、誰も札を上げようとしなかった。

寄付とはいえ、役に立つものを買って帰りたいもので、むやみに金を使うわけにはいかない。

その時、甘い女性の声が響いた。「四百万円」

この絵は誰も見向きもしないものだったので、この四百万円は無駄遣いだった。

「八尾さんはいつも大局を見据えていらっしゃる。この絵を買えるのは彼女しかいないでしょうね」

「四百万円は八尾家にとっては九牛の一毛かもしれませんが、それでもこの絵に四百万円は損すぎます。八尾さんと比べたら、ある人なんて見るに堪えない。よく来れたものですね」

皆が一斉に高倉海鈴を見つめ、小声でつぶやいた。「松下若旦那の言う通りです。お金がないにしても、四百万円くらい出せるはずなのに。こんな安いものにも手を出さないなんて、残りの競売品なんて望み薄ですね!」

藤原徹の表情が冷たくなった。

オークショニアーがハンマーを落とし、最初の競売品は八尾夢子のものとなった。誰も彼女と争おうとはしなかった。

会場は拍手喝采で、皆が彼女の美しさと優しさを褒め称えた。

続いて二番目の競売品は翡翠の首飾りで、高野さんの手彫りのもので、開始価格は四千万円だった。

高倉海鈴は急に興味を示した。

友希姉は最近漢服に凝っていて、気に入った翡翠の首飾りを探していた。高倉海鈴は一目見てこの翡翠の品質の良さを見抜き、友希姉がきっと気に入るだろうと思った。

他の参加者たちもこの競売品に目を付け、次々と札を上げ始めた。

すぐに四千万円の翡翠の首飾りは七千万円まで跳ね上がった。

最終的に八尾夢子とある婦人だけが競り合い、価格は上昇を続け、八尾夢子が一億円を提示すると、その婦人は諦めた。

会場からため息が漏れた。

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