Chereads / 藤原奥様は弱虫でお世話が必要? / Chapter 249 - 第249章 社長の頭が少し緑

Chapter 249 - 第249章 社長の頭が少し緑

藤原徹は高倉海鈴が行けば恥をかくと考えたので、その二枚のチケットを断ったのだ。

きっとそうに違いない!

八尾夢子は心の中で急に晴れやかになり、微笑みを浮かべた。「まあいいわ。彼が行きたくないなら無理強いはしないわ。数日経てば、この件のことなんて忘れてしまうでしょう」

……

渡道ホール。

高倉海鈴は山下涼介の展覧会のことを聞いて、少し驚いた。「彼の展覧会?東京で?」

藤原徹は頷いた。「行きたいか?」

彼女が行きたいと言えば、一本の電話で誰かがチケットを直接持ってくるだろう。八尾夢子の好意など必要ない。

高倉海鈴は目を伏せ、さらりと言った。「いいわ」

彼女は幼い頃から山下涼介の絵を見てきた。彼女にとって特に目新しいものではない。

ただ、四兄さんが東京に来ているのに、なぜ彼女に知らせなかったのだろう。何だかこそこそしている感じがする。

あっという間に、彼らも長い間会っていない。少し複雑な気持ちになった。

高倉海鈴はすぐに階段を上がって着替えると、急いで外出した。

高野司は慌てて尋ねた。「社長、奥様について行きましょうか?」

藤原徹は冷静な表情で首を振った。「必要ない」

高野司は少し心配そうに言った。「もう日が暮れかけていますし、奥様がこんな時間に出かけて、もし悪い人に遭遇したら……」

「山下涼介が彼女を守るだろう」

高野司は驚きの表情を浮かべた。

誰?山下涼介?奥様は彼を知っているのか?

高野司は非常に興味を持ったが、高野広が余計な口を出して給料を全額没収されたことを思い出し、言葉を飲み込んだ。

すると、高野広が彼を脇に引っ張り、耳元で小声で言った。「兄さん、これはおかしいよ!聞いた感じだと、奥様は今から山下涼介に会いに行くってことじゃない?」

高野司:「……」お前は給料要らないのかもしれないが、俺を巻き込むなよ!

「兄さん、もし兄さんが奥様だったら、社長のことを好きになる?」

高野司:「?」なぜ彼が社長を好きにならないといけないんだ?彼は奥様でもないし?そもそもなぜそんなことを考える必要があるんだ?

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