本来基地の情報漏洩の時、彼が責任を取るべきだったのに、牧野民がそう言ったからには、基地に何か損失があっても、もう彼には関係ないということになった。
牧野民は桂少佐を横目で見て、もう何も言わなかった。
彼は桂少佐の考えを知らないはずがない。でも、うちの月瑠様が出てくれば、一人で十人分の働きをする。後でお前の顔に泥を塗ってやるぞ。
……
午後三時、飛行機は関西国際空港に着陸した。
別荘からは既に中村少華を迎えに人を派遣していて、運転手は車のドアを開けて中村少華を招き入れた。
中村少華が身を屈めて乗り込もうとした時、何かを思い出したように運転手に言った：「お前は先に帰れ。私が運転して帰る。」
運転手：「？？？」
一方、中村静加はこの時になってようやく中村少華が帰国した理由を察し、彼が京都に到着する時間を計算して電話をかけた。
中村少華は電話に出て、軽蔑するような口調で言った：「俺が出発してからどれだけ経った？もうプロジェクトで問題が起きたのか？」
「何を騒いでるんだ。俺が出る以上、問題なんてあるわけないだろう？」
中村静加は電話の向こうで目を回し、さらに尋ねた：「ただ聞きたいんだが、帰国のことを裳に前もって言ったか？」
中村少華は反射的に聞き返した：「言っちゃいけないのか？」
「くそっ！お前もう言っちまったのか？この役立たずが！」
中村静加は叫んだ：「叔母さんの言う通りだ。お前は本当に抜けてる。何の役にも立たない。独身のまま何年も経つのも当然だ！」
中村少華：「……」
中村静加は女心をよく理解していて、言った：「知らないのか？女の子はみんなサプライズが大好きなんだぞ。こっそり帰って、彼女が見たら喜ぶに決まってるだろう。」
「お前こそくだらない。独身なのも当然だ！」中村少華は軽蔑的に鼻で笑った。さっき裳に告げた時、少女は明らかに喜んでいた。
「そうだな、お前は独身じゃないからえらいよ！」
中村静加は本当に腹が立ったが、それでも次男のことが気になって：「じゃあ、裳にプレゼントは持って帰ったのか？彼女は何度もお前にプレゼントをくれたのに、お前は一度もないじゃないか！」
中村少華：「……」
