「これが原因で、彼女が怒って返信をしないのかしら?」中村楽は推測した。
今時の女の子は甘やかされて育っているから、わがままなのも仕方ない。
「私も最初はそう思っていた」
斉田あきひろは頭を抱えながら言った。「家に帰ったら、彼女が食材を買っておいてくれていたんだけど、もう帰ってしまっていて、しかも流しの水が出しっぱなしで床が水浸しになっていた。急いで出て行ったんだと思う。私に何も言わずに」
伊藤哲と中村楽は様子がおかしいことに気づき、前者が斉田あきひろに尋ねた。「その後、彼女に電話したとき、つながらなかったの?それとも一度つながって、その後電源が切れたの?」
「最初は電話がつながったんだけど、誰も出なかった。何度もかけ続けて、深夜近くになったら電源が切れていた」
斉田あきひろの感情が崩れかけ、中村楽と伊藤哲の前でもう一度彼女に電話をかけた。
やはり電源が切れたままだった。
彼は不安そうに言った。「彼女が行きそうな場所は全部探したし、友達にも連絡したけど、全く情報がない」
「実家にも電話したけど、帰っていないって。30分前にもう一度かけたけど、何も分からない」
斉田あきひろは大村つきが失踪したとは言えず、両親には喧嘩したと言うしかなかった。
伊藤哲と中村楽の表情は深刻で、伊藤哲は技術課の人間に電話をかけ、大村つきの携帯電話の位置特定を依頼した。
「彼女の情報を技術課の人間に伝えてくれ。今向かっているところだ」伊藤哲は斉田あきひろに念を押した。
斉田あきひろは技術課で結果を待つことになり、事態が解決していない以上、中村楽と伊藤哲も帰れず、彼のオフィスでお茶を飲むことにした。
30分以上経過した後、斉田あきひろが慌てて駆け込んできた。「伊藤隊長、楽姉、技術課の人が見つけました!」
「どこにいるの?」
中村楽は急いで尋ねたが、斉田あきひろの表情がおかしいのを見て、もし見つかっていたら、こんな表情にはならないはずだと気づいた。
「北海道札幌市に行っていました!」
斉田あきひろは不安そうに言った。「位置情報では新千歳空港にいたことが分かって、その後は追跡不能になりました。でも彼女は一度も北海道に行くなんて言ってなかったんです!」