「サモナーズリフトへようこそ。敵軍が到着するまであと30秒、彼らを粉砕せよ!」
馴染みのある声が響き渡ると、渡辺秋の瞳が鋭く光り、全身から放つオーラが一変した。
しかし、マウスを握る手のひらには汗が滲んでいた。
渡辺秋は装備を購入し、新しいスキルを習得したが、すぐには出撃せず、泉の中で待機することにした。
鈴木月瑠は左手をキーボードに置き、右手でマウスを操作して艾希を動かした。装備ショップを一瞥し、習慣的に数個のアイテムを購入してミッドレーンへ向かった。
しかし、アンニの姿は見えなかった。
相手が見えないため、鈴木月瑠は動くのも面倒になり、手を空けてケーキを口に運んだ。
皆:「???」
結局、あなたは食べ物目当てで来ただけで、試合に集中する気はないのか?
鈴木月瑠は数口でケーキを平らげ、次は叔母さんにもっとたくさんこのケーキを買ってもらおうと考えていた。本当に美味しくて、一つ食べたらもう一つ食べたくなる。
そうしているうちに、ミニオンが出現した。
すると、アンニが泉から飛び出してきた。体には白い渦状のエネルギーが纏わりついていた。
鈴木月瑠の表情は少しも変わらず、むしろゆっくりと艾希を操作して前進した。
先ほどアンニが姿を隠していたのは、スタンを溜めていたからだ。だから、彼女が放つこのスキルには必ずスタン効果が付与され、かなりの威力がある。
渡辺秋はアンニを操作してスタンを放ち、艾希を追い払おうとした。
普通の艾希使いなら、おそらく為す術もなく混乱していただろう。
鈴木月瑠は直接Wスキル—万矢一斉を放った。
このスキルの射程は600で、今アンニは艾希の近くにいたため、無数の矢がアンニの体を貫き、アンニのHPが大きく減少した!
渡辺秋も負けじと焼却スキルを放ち、スタン効果を付与した。
しかし鈴木月瑠の手の動きの方が速かった!
渡辺秋がスキルを放とうとした瞬間、鈴木月瑠は艾希を後ろ斜めに下がらせ、扇形の範囲から脱出し、アンニの焼却スキルを空振りさせた。
相手のスキルが空振りした瞬間、鈴木月瑠は必殺技を放ち、アンニのHPをほぼゼロまで削った。
渡辺秋は目を凝らし、急いでアンニをミニオンの列の中に逃げ込ませた。