朝、肉まんなどを作るのは時間がかかりすぎるので、百里紅裳はSNSのレシピを見ながら、卵を何個か焼いた。
卵を焼き終わると、彼女は中村少華を起こしに二階へ上がった。
百里紅裳は彼がまだ起きていないと思い、指紋認証で寝室のドアを開けた。「寝坊助、起きて食べに...」
目の前の光景を見て、彼女は呆然とした。
中村少華は熱いシャワーを浴びたばかりで、ベッドの横でバスローブを脱ごうとしていた。バスローブは半開きで、中は何も着ていなかった。
小麦色の肌には水滴が流れ、筋肉の線が美しく、髪はまだ濡れていて、深みのある立体的な目元は柔らかな印象を与えていた。
中村少華は一瞬固まり、顔色が急に青ざめ、素早くバスローブを締め、きつく結び目を作った。
「誰がノックもせずに入っていいと言った?お嬢さん、こんなに...」
中村少華が叱り終える前に、百里紅裳は口を押さえて急いで首を振った。「二度とやりません、本当にごめんなさい。」
中村少華の表情がようやく和らぎ、淡々とした口調で尋ねた。「朝早くから何をしているんだ?」
「もう、朝ごはん作ってあげたのよ。」百里紅裳は艶やかな眉を上げ、中村少華の腰に手を回した。
「…………」
中村少華の体が少し硬くなった。
少女はシルクのパジャマを着ていて、下着も薄く身につけており、それほど魅惑的には見えなかった。
しかし今、彼女が中村少華を抱きしめると、彼は少女の体が実はとても柔らかく、柔らかいバービー人形のようだと感じた。
これまで中村少華は彼女を子供だと思っていたが、今は...
百里紅裳は彼が何を考えているのか知らず、愛らしく顔を上げて彼を見つめた。「今日は何か食べたいものある?作ってあげるわ。」
「……」
中村少華は彼女が何を言っているのか聞こえていなかった。全身の血が沸騰しているのを感じ、抑えることができなかった。
突然何かに気付いたように、彼は顔を曇らせ、一気に百里紅裳を引き離した。
百里紅裳は慌てて足を踏ん張り、目を丸くして信じられない様子で彼を見つめた。「あっ...嘘じゃなかったんだ!」
中村少華は気まずそうに軽く咳をした。「……」
彼は少女にどう説明していいか分からなかった。