チップには天然ニッケル鉱石の最適利用に関する情報が含まれており、そのニッケル鉱石は日本の研究者が発見したものだ。さらにデルタが独立したため、国際法条約に基づき、日本がニッケル鉱石の処分に最も権利を持っている。
残念ながら、デルタのあの老いぼれどもは厚かましく、日本の研究者を殺害し、長年チップを横領していた。
今、日本がチップを数個取り戻したところで、鈴木月瑠がチップを盗み、小林城と協力することになった。小林城は必ず直ちに日本を離れるはずだ。
「それは困りますね!」
伽藍はすぐに反論した。「月瑠姉が行ってしまえば、きっとあの老いぼれたちがすぐに押しかけてくるでしょう。」
デルタは太平洋の中央に位置し、日本の領土ではない。
現在、鈴木月瑠は日本にいるため、デルタの連中も日本に来て人を探すのは難しい。結局のところ、日本の軍事力は優れているからだ。
しかし、海外に行けば、それは他人の領域での出来事となり、何が起こるかわからない。
小林城の目に深い色が浮かび、鈴木月瑠を見つめながら言った。「もし君が私と戦区に行くなら、君の安全は保証できる。」
一方では月瑠の安全のためだが、もう一方では、彼女は國醫の名手だ。小林城は彼女を味方につけたかった。
鈴木月瑠はまた白兎キャンディーを一つ食べ、淡々とした声で言った。「私は国外に出なくても、解読プロセスに関わることはできます。」
「そうですか、それなら無理強いはしません。」
小林城の声には少し残念そうな調子が混じっていたが、月瑠に強要はせず、さらに笑って言った。「私が今回日本に来たのは、別件もあって……」
鈴木月瑠は淡々と彼の言葉を遮った。「時間を見て、日本の新年までには、あなたの体調チェックをしてあげます。」
日本の新年までというと、それは一月末ではないか?
「そんなに先なのですか?」
小林城は眉をしかめ、思わず尋ねた。「日本で他に用事があるのですか?」
鈴木月瑠は少し目を細め、さらりと言った。「特に何もありません。ただ祖父母と、それに元カレと過ごしたいだけです。」
少し間を置いて、真面目な表情で言った。「結局のところ、私の元カレは体調が悪く、もう末期なんです。」
小林城:「……」
伽藍:「……」