2.0バージョンのレシピは、久我月と国内研究所の数人の大物研究者だけが持っている改良版で、一度に数百個作れるものだ。
しかし、研究所のメンバーは何故か、このはっきりと書かれた処方で、一度に50個ほどしか作れない。
三井はLINEにすぐに返信した:[そうだったんですね。やはり月瑠姉は賢くて美しく、並外れた知能の持ち主ですね。私は頭が下がります。あぁ...そういえば、私はまだ2.0バージョンを見たことがないんです。一橋太夫人が羨ましいです。私の髪の毛は一本白くなってしまいましたが、そんな良い運には恵まれませんでした。本当に運命は人の思い通りにはいきませんね...]
[私の愛する月瑠姉は最も優しい方です。研究用に一つだけいただけないでしょうか?多くはいりません、一つだけで結構です。月瑠姉がお忙しいのは分かっていますし、研究成果を奪うつもりはありません。ただ一つだけ欲しいのです。優しくて美しく、温厚で魅力的で賢い月瑠姉なら、きっとこの願いを叶えてくださいますよね?]
画面越しでも、久我月は三井の追従ぶりを感じ取ることができた。
彼女はゆっくりと返信した:[実験室にあるから、自分で取りに来て。]
久我月は本当にこれらの学生たちにうんざりしていた。普段は彼女に孝行もせず、むしろ彼女がこの大人たちにお金を出して支援しなければならなかった。
三井は大喜びで、実験室で飛び上がった。
彼の学生は不思議そうに先生を見つめた:「三井教授、どうされたんですか?そんなに跳び上がって、何か問題でも?」
「君には分からないよ、分からない...」
三井は眼鏡を直しながら、興奮して呟いた:「お師匠様は普段とても慎重で、少しの利益も得られないのに、今回は私の追従スキルで虎の口から牙を抜くことに成功した...」
助手:「...」
生きているお師匠様?
彼は頭の中でお師匠様の姿を想像した。きっと伝説通り、仙人のような風格で、歯も抜け落ちかけているに違いない。
月瑠姉の寵愛を示すため、三井は数枚のスクリーンショットを撮り、彼らの小グループに投稿して自慢し始めた。
三井先生:[偶然にも月瑠姉と話すことができて、月瑠姉は2.0バージョンの薬をくださいました。まさに身に余る光栄です。]