ボディーガードは百里紅裳が満腹になるよう心配して、ハンバーガーを2つ、チキンウィング、チキンレッグ、フライドポテト、エッグタルトを注文し、テーブルが一杯になった。
百里紅裳は透明な手袋をはめ、ハンバーガーを掴んでかぶりついた。
あむっ、この世の美味しさ!
食事を済ませた後、百里紅裳は遊園地へ向かった。
遊園地を出る頃には、もう4時か5時くらいで、遊園地の入り口では、おじさんが飴細工を作っていた。
百里紅裳はそれを見て足を止めてしまい、ボディーガードは前に出て飴細工を買いに行ったが、買い終わって戻ってみると彼女の姿が消えていた。
ボディーガード:「!!!」
無口なボディーガードは心が折れそうになった。
まずい、ご主人様の大切な令嬢を見失ってしまった。これではご主人様に殺されてしまう!
百里紅裳が飴細工を待っている間、道路の向こうで小さな女の子が歩道の真ん中で泣いているのが見えた。
その道路は遊園地の道路から二本離れていたが、百里紅裳は特殊工作員だったので、視力が非常に良かった。
周りの通行人は女の子を見ても、詐欺に遭うのを恐れて誰も助けようとしなかった。
百里紅裳は眉をひそめ、数本の道路を渡って女の子のところへ向かった。
ちょうどその時、遊園地から人々が押し寄せてきて、ボディーガードは百里紅裳が道路を渡ったことに気付かなかった。
しかし百里紅裳は記憶喪失のせいか、少し抜けているところがあり、路上の水で滑って尻もちをついてしまった。
痛みで目が赤くなりながらも、小さな女の子を抱き寄せた:「お嬢ちゃん、どうしてここに一人でいるの?お母さんはどこ?」
「うわぁぁん...ママ、ママに会いたい、ママに会いたい...」
小さな女の子は悲しそうに泣き叫び、声が枯れるほどで、手の甲で涙を拭いていたため、小さな手が擦り傷だらけになっていた。
百里紅裳は女の子の手を取り、傷口の周りの砂を優しく吹き飛ばして、感染を防ごうとした。
「お嬢ちゃん、お姉さんにママがどこにいるか教えてくれる?お姉さんが一緒に探してあげるから。」
「ママは...ママはあそこ...」
小さな女の子は目が胡桃のように腫れ上がり、向かい側の店を指さした。