二人の警官が反応する前に、百里紅裳は中年女性の足を蹴り、軽く手を上げて、かっこいい背負い投げを決めた!
彼女は冷たい目をして、その場に立ち、独自の世界を作り出していた。その姿勢を見れば、素人でも武道の達人だと分かるはずだ。
診察室は静まり返り、百里紅裳は携帯を握りながら椅子に座り、足を組んでいた。
まるでボスのような態度だった。
ボディーガードは呆然としていた。
これは……
どうして裳さんの方がボディーガードみたいなんだ!
ボディーガードは弱々しく百里紅裳を見て言った:「裳さん、手は痛くないですか?女の子なのに、喧嘩なんてしちゃダメですよ?」
「私は喧嘩なんてしていません」百里紅裳は冷淡に言った。
ボディーガード:「???」
見間違えたのか?
百里紅裳は真面目な顔で言った:「ああ、最近見た言葉で、礼尚往来というのがありますが、これはまさに礼尚往来ではないでしょうか」
「……なるほど」
ボディーガードは呆然として:「でも……喧嘩は拘留されますよ。すぐに若様に連絡して、助け出してもらいましょうか?」
百里紅裳は美しい目を細めて、冷淡に言った:「なぜ拘留されるのですか?彼らは私を脅迫し、恐喝しようとしました。あの女性はあんなに体格がいいのに、私が手を出さなければ、殺されていたかもしれません。これは正当防衛です」
彼女は不思議そうに尋ねた:「これは国が認めている行為です。何か問題でもありますか?」
「でも今は法治社会ですから……」
「私は国民として国の管理下にあります。国が戦えと言うなら、反論できませんよ。さもないと国家パパが怒りますから」
「……」
ボディーガードは何を言おうとしていたのか忘れてしまい、裳さんの言うことがとても理にかなっているように感じた。あの時もう数発追加で殴るべきだったかもしれない。
最終的に警察が事態を把握した結果、ボディーガードと百里紅裳は警察署に連れて行かれ、供述調書を取られることになった。
ボディーガードは中村少華の電話番号を知らなかったので、藤田さんに電話をかけた。藤田さんは電話を受けた後、完全に呆然としてしまった。
これは……最後には警官暴行まで?