Chereads / 奥様の正体が再び世界を沸かせた / Chapter 171 - 第171章 あなたには私の知らない仮面がまだいくつあるの?

Chapter 171 - 第171章 あなたには私の知らない仮面がまだいくつあるの?

一橋嬌は泣きそうな顔を上げ、嗄れた声で言った。「高橋様に門下から追放されてしまいました...」

そう言うと、激しい怒りで気を失い、その場に倒れてしまった。

……

お婆様は目覚めかけていたが、指先が少し動いただけで、まだ目は開いていなかった。一橋貴明は久我月を呼びに行った。

すると、久我月がベランダでタバコを吸っているのが見えた。

少女の緩やかにカールした髪は腰まで届きそうなほど長く、柔らかな灯りに照らされて、神秘的な雰囲気を醸し出していた。

一橋貴明はタバコを吸う女性を何人も見てきた。ビジネス界の女性リーダーたちか、はたまた不良少女たちだった。

しかし久我月がタバコを吸う姿は、冷酷でありながら、どこか魅惑的だった。

今日、父親と共に一橋逸飛に結婚を迫ったことを思い出し、一橋貴明は少し可笑しくなった。

あの一橋逸飛のドジな様子では、久我月が目もくれるはずがない。何を心配することがあるだろうか?

タバコがもう少しで終わりそうな時、久我月が振り返ると、一橋貴明が彼女を見つめているのに気付いた。様子を見るに、かなり長い間そこにいたようだった。

彼女は気付かなかったことに驚いた。

久我月は最後の一服を吸い終えると、タバコを消して一橋貴明の方へ歩み寄った。「お若様、覗き見の癖は直した方がいいわよ。さもないと小池おじいさまに言いつけちゃうわ」

一橋貴明:「……」

この小娘め、後ろ盾ができたとたん、本当に自分を眼中に置かなくなってきやがった。

お婆様の部屋に着くと、高橋様もすぐに後を追ってきた。

高橋様が機器でお婆様の体調を確認する間、久我月は座ってお婆様の脈を診た。検査が終わると、お婆様に鍼を打つ準備を始めた。

久我月の手つきは素早く熟練していた。少女の白く細長い指が素早く針を打っていく様は、まるで芸術のようだった。

高橋様は目を離さずに見つめながら、心の中で深いため息をついた。

久我月の門下に入って何年も経つが、当初は国家の面子があってようやく受け入れてもらえたのだ。

彼女から漢方医学を学びたいと思っていたが、才能がなく、今では見ているだけで満足するしかない。

この時、大村じじが羨ましく思えた。

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