池田滝から送られてきた最後の位置情報を受け取り、久我月は監視システムに侵入し、10分かけてその時間帯の監視映像を復元した。
「あれ……」
監視映像に映る二人の男性のうち、一人が見覚えのある顔だった。久我月は一瞬固まった。これは……中村少華じゃないの???
そして、中村静加が百里紅裳を後部座席に抱き入れ、中村少華が助手席に乗り込むのが見えた。
中村少華のところにいるなら……もう寝ていいでしょう!
横になってから、久我月は池田滝にメッセージを送るのを思い出した。
[瘾:彼女は大丈夫よ、寝なさい。]
まだ百里紅裳の行方を探していた池田滝は、久我月からのLINEを受け取り、困惑して瞬きをした。
大丈夫……なの?
中村少華のプライベート別荘。
この独立別荘は数年前に購入したもので、立地も良く、住環境も特に快適だった。
中村少華はポケットに片手を入れて別荘に入り、中村静加は百里紅裳を抱きかかえて後に続いた。
「兄さん、この子、ただものじゃないくらい可愛いですね」中村静加は百里紅裳をソファに寝かせ、室内の明かりで初めて彼女の容姿をはっきりと見た。
中村少華は眉をひそめて振り返った。
確かに、少女は絶世の美女と呼ぶにふさわしかった。
柔らかな灯りの下で横たわる彼女は、肌が雪のように白く清らかで、まるで触れただけで壊れそうな繊細さを感じさせた。鼻筋は通っており、桜の花びらのような唇は柔らかそうで、思わずキスしたくなるような魅力があった。
中村少華は様々なタイプの美女を見てきたが、そのほとんどは俗っぽく、見飽きてしまうものだった。本当に見飽きない美女は、数人しかいなかった。
姉は一人、栗本寧は……好きではないから除外して、あとは一橋貴明が好きな久我月という少女。
中村楽は艶やかな美人タイプで、インパクトのある美しさを持ち、異国情緒があるような雰囲気だが、飽きることはなかった。
一方、久我月は典型的な日本美人で、整った五官が組み合わさって、特に優美で風情のある日本的な顔立ちをしていた。ただ、その少女はいつも怠そうで、まるで寝足りないかのように、目蓋を半開きにして、無関心そうな様子で、それに冷たい表情が加わって、クールな印象を与えていた。