彼女は俞晚晚についてうらの庭へ行った。
俞晚晚は裏庭の入り口に、たくさんのレンガや瓦、そして廃棄された鉄骨フレームが積まれているのを見た。
確かに人が通れるような状態ではなかった。
翁萍の目に狡猾な光が走り、口を開いた。「もうこんな時間だし、甥を連れてここに一晩泊まったらどう?先生も今夜はここにいるし、明日鍵屋さんが来て鍵を開けたら帰ればいいわ」
彼女は年を取っているのに、まだこんな幼稚な手を使うなんて。
本当に老人家を困らせてしまうわ。
俞晚晚はここに泊まりたくなかった。すぐに小満さんを連れてここを離れたかった。ここにいれば小満さんの身元がばれる危険性が高まるだけだった。
彼女は入り口を塞いでいるものを移動させることにした。
そう思いながら、動き始めた。
「おば、眠いよ。とても眠い」
俞晚晚が大きな鉄骨フレームを苦労して動かしたとき、俞小滿が走ってきて彼女の足に抱きつき、あくびをした。
小さな頭が俞晚晚の足にもたれかかった。
俞晚晚は俞小滿を見下ろし、忍びなかった。
萍おばさんは俞晚晚を引き止めて泊まらせる方法を考えていたところだった。彼女があんなに頑固だったので、もう諦めて門を開けようかと思っていたが、思わぬところで俞小滿が助け舟を出してくれた。
彼女は俞晚晚を説得した。「俞さん、子供も眠そうよ。こんな夜中に連れて行くのは危ないわ」
裏庭の外は真っ暗で、ほとんど車の通らない小道だった。
俞晚晚は少し躊躇した。
彼女は俞小滿と相談しようと頭を下げたが、小さな子はすでに彼女の足にもたれて眠っていた。
小さな姿を見て、俞晚晚の心は溶けそうだった。
これ以上無理させたくなかった。
どうせ明日も民政局に行くのだから、今夜一晩だけ泊まろう...これが最後の一度、小満さんと蘇言深が接触する機会だ。
そう考えながら、彼女はかがんで小さな子を抱き上げた。
動作はとても優しく慎重だった。
俞小滿は安心して俞晚晚の肩で眠っていた。
部屋に入ると、蘇言深がソファに座ってお茶を飲んでいた。
落ち着いた様子だった。