海瑞は芸能界のトップクラスだが、やはり俳優や歌手に重点が置かれている。星皇は、全てのモデルが憧れる殿堂だが、かつて彼女を締め出したことがある。
そのため、彼女は一時的に、選択のしようがなかった。
唐寧はこの二つの名前を聞いて、無言で墨霆に微笑みかけた。
彼女は明確な答えを出さなかったが、おそらく心の中では既に自分の基準を持っていたのだろう。
「どうやら、君はどちらにも入りたくないようだね」
「いいえ、今はまだそこまで追い詰められていないだけです」唐寧は墨霆を安心させた。「墨社長、私がそんなに簡単に人にリソースを奪われるような小娘だと思いますか？」
「もしそこまで追い詰められたらどうする？」墨霆は追及した。
「本当にそうなったら、必ずお答えします」唐寧の瞳は澄んでいて、とても真剣に墨霆に返事をした。
「わかった、そう言ったんだな」
実際、唐寧の今の立場で、海瑞や星皇を選ぶ資格があるのだろうか？一人の男優に彼女の地位を脅かされ、キャリアが風前の灯火になるような状況で、何を持って星皇や海瑞の人々を納得させられるのか？
墨霆は彼女の強がりを知っていたので、先ほどの話題を続けず、ただ心の中で万感の思いを抱え、どう表現すればいいかわからなかった。
そこで、墨霆は直接彼女の腰に手を回し、突然彼女にキスをして深いキスを求めた。特に二人がキスに没頭し、寝室に戻って巨大な写真を見たとき、墨霆は直接唐寧をその壁に押し付け、少し頭を下げて彼女を見つめた……
「どうしたの？」
「ただ……君に知ってほしいんだ、俺がとても熱いってことを」
君を守りたいという心が、とても熱いんだ！
唐寧は本当に理解したようで、最初は抵抗しようとしたが、墨霆に両手を押さえられ、頭上に高く上げられた。二人の指輪をつけた指が、冷たい壁面で絡み合った。
唐寧の心臓の鼓動は速かった。墨霆がこんなに征服欲を持って彼女の目を見つめることは滅多になかったからだ。唐寧は略奪と渇望を感じたが、退くことはなく、むしろ積極的に墨霆の唇にキスをした。
しかし、それは蜻蛉返しのようなもので、すぐに離れた……
「私たち、結婚したの？それとも恋愛中なの？」
