人気俳優が降板。
この事実を当の人気俳優本人がネット上で暴露し、瞬く間に無数のファンがコメントし、人気ブロガーたちが次々と拡散した。
かつて、あるいは現在も凌風の気性に耐えている人々は、密かに笑みを浮かべずにはいられなかった。凌風の地位と背景を考えると、彼を降板させる勇気のある人間は、狂人か英雄に違いない。誰もが、この人物はもう芸能界で生きていく気がないのだろうと推測していた。
さらに、凌風のスケジュールに注目する人もいた。今はLMの広告撮影中のはずだが……凌風はこのタイミングでこのような発言をした。
LM側の降板示唆?
ファンたちは非常に興奮していた。結局のところ、凌風は彼女たちの心の中で神聖な存在であり、彼女たちの心の中のアイドル、輝かしい若いスターが降板されるなんて?
まったく許せない!
一方、別のファンたちは、今回の広告の女優が経験豊富な唐寧であることに気づいた。
唐寧……
また唐寧か、彼女はいつも騒動の中で浮き沈みしているようだ。
そこで、ある人が声を上げ始めた。「唐寧って一体どうなってるの?なんで問題があるところには必ず彼女がいるの?」
「唐寧を巻き込まないで。彼女はただのモデルで、広告撮影で自分の仕事をしているだけ。降板なんて、彼女には介入する権利なんてないわ」唐寧のファンたちは急いで自分たちのアイドルを弁護した。
「そんなこと言うの早すぎるよ。後で恥をかくことになるかもよ」
「ふふ、唐寧はずっと控えめだったのに、急に人気が出すぎて、他の人の邪魔になったんでしょ。だから黒い噂をたてられるんだよ」
マネージャー車の中で、安子皓はネット上のコメントを見ながら、唐寧の方を振り向いた。彼女が平然とした表情をしているのを確認してから、彼女に言った。「凌風がネットで降板のことを大騒ぎしているらしい。午後にリゾート村に行ったら自分が降板されていたことを知って、頭に血が上って、すぐにネットで暴露したそうだ」
「あんな甘やかされたお坊ちゃまが、自分が降板されたのを目の当たりにする様子は、さぞ滑稽だったでしょうね」後部座席で龍姉さんは興奮を抑えきれずに言った。