「でも、今のところ墨霆との関係を公表するつもりはありません」と唐寧は落ち着いて言い、顔に自信に満ちた輝かしい笑顔を浮かべた。「墨霆を利用すれば、確かに一気に成功できるでしょう。でも、人々は『ほら、あれが墨霆の妻だ』と言うだけで、モデルの唐寧とは言わないでしょう。3年前、私はセイキョウのトップモデルになれました。3年後も、自分の努力で本来私のものだったものを取り戻せるはずです」
「龍姉さん、もしあなたが私を助けてくれるなら、一緒に頑張りましょう。もし嫌なら無理強いはしません。天藝との契約解除を手伝い、より良い会社を見つけるお手伝いをします」
「何言ってるの?もちろんあなたの側にいて、国際的トップモデルのゴールドマネージャーになりたいわ」と龍姉さんは唐寧に断固として言った。「でも、あなたはまだ天藝エンターテインメントに残るつもり?」
「どう思う?」唐寧は目配せをして、龍姉さんに考えさせた。「韓宇凡は私を何度も利用した。私も…お返しをしなければ」
龍姉さんはそれを聞いて、大笑いしながら唐寧の体に寄りかかり、肩を震わせた。「唐寧、私はこの何年もの間、あなたを全然知らなかったわ。こんなに腹黒いなんて思わなかった。じゃあ、次は何をする?動画を公開する?」
「いいえ…代理店を奪う。正確に言えば、墨雨柔から私のものを取り戻すの。そうすれば墨雨柔のファンは必ず反撃してくる。その時に動画を使うわ!」
「龍姉さん、もう一つお願いがあります。クラウンスターのショーの映像を編集してネットにアップしてください」
「それは簡単よ、問題なし!」龍姉さんはそれを聞いて目を輝かせ、何度もうなずいた。さらに重要なのは、唐寧が少し変わったことに気づいたことだった。以前は柔らかく弱々しかったのに、強くなった彼女がこんなに凄いとは思わなかった。
二人が話し終わった後、唐寧は陸澈に龍姉さんを家まで送らせ、自分は香りの漂う寝室に戻った。墨霆はちょうど寝間着に着替えたところで、ソファに座ってワインを飲んでいた。少し上がった顎のラインが、横顔をさらに流麗にし、まるで彫刻のように完璧で、思わず心臓の鼓動が速くなった。