この事件は非常に悪質で、影響も甚大だった。彼は顧瀟瀟をかばいたくなかったし、かばおうとしても無理だった。なぜなら、すでに学校中に知れ渡っていたからだ。
今や、顧寧一人に対する説明だけでなく、学校全体の生徒たちへの説明も必要だった。
このような事件を処理しなければ、学校の評判に影響が出るだろう。
「楚沛涵、顧瀟瀟、二人とも教務課に来なさい」この件は彼一人の教師では処理できないので、教務課主任に任せるしかなかった。
顧瀟瀟がこのようなことをして殴られたのは当然だが、だからといって楚沛涵が人を殴ったことが正しいわけではない。だから二人とも教務課に行く必要があった。
郝然たちは何もしていないので、彼らに何かできるわけではなかった。「早く教室に戻りなさい。ここで年を越すつもりか？」
郝然たちは思わず楚沛涵を心配そうに見たが、楚沛涵は何事もないかのように、大丈夫だと目で合図した。
どうせ教務課には慣れていたし、ただ説教を受けて処分を受けるだけだった。彼女はもう気にしていなかった。
郝然たちもそれを知っていたので、楚沛涵のことを心配せずに教室に戻った。
顧瀟瀟は教務課に行きたくなかったが、抵抗する余地はなく、行くしかなかった。
「先生、顧瀟瀟さんの顔がひどく腫れています。まず保健室に行った方がいいのでは？」ある生徒が提案した。
それを聞いて、王成啟はようやく気づき、すぐに楚沛涵と顧瀟瀟を連れて外に出て、まず保健室に向かった。
一行が教学棟を出たところで、ちょうど向かってくる顧寧とばったり出くわした。
顧寧は楚沛涵と頬が赤く腫れた顧瀟瀟を見て、最初は驚いたが、すぐに何が起こったのかを理解した。
顧瀟瀟が殴られたことに同情はなかったが、楚沛涵が彼女のために顧瀟瀟を殴ったという義理に感動した。
ただ、楚沛涵がこんなに堂々と顧瀟瀟を殴るなんて、自分から問題を起こしているようなものだ。
ほら、1組の担任にも見つかってしまったじゃないか。
顧寧の考えを見抜いたように、楚沛涵は思わず目を回した。まるで気にしていないかのようだった。
