病室では、顧晴と姜旭、それに姜心悅もいて、顾宁はそれぞれに挨拶をした。
顾宁は顾蔓を見て、数日の療養で顔色が良くなり、少し肉がついたようで、以前よりも元気そうに見えることに安堵した。
顧晴と姜旭が来たとき顾宁に会えなかったので、顾蔓は家を探しに行ったと言った。
「寧寧が帰ってきたわね。家は見つかった?」
顾宁が入ってくるとすぐに、顧晴は心配そうに尋ねた。もし見つからなかったら、どうしても母娘を自分の家に泊めて、それから家をゆっくり探そうと考えていた。
「見つかったよ」と顾宁は答えた。
「本当?見つかって良かったわ。どこにあるの?安全な場所?家賃はいくら?」顧晴は続けて尋ねた。
顧晴の心配に、顾宁は家族の温かさを感じ、暖かく笑って言った。「ゆうぎどおりの近くだよ。とても安全で、値段も手頃だ」
顾宁は詳細を話さなかった。まだその時ではないからだ。
顾宁が家を借りるのではなく買うつもりだと聞いて、顾蔓は少し驚いて顾宁を見た。
ゆうぎどおりは市の中心部に近く、立地は良いが、風華豪邸だけでなく他の団地もある。顾蔓は風華豪邸とは思いもしなかったが、他の団地でもグレードは低くない。
一軒の家でも、二百萬元以上はするだろう。
でも、寧寧は一部のお金を投資に使うと言っていたのでは?
顾蔓はずっと、顾宁がもう少し外れた場所で、せいぜい百萬元ちょっとの家を買うと思っていた。
顾蔓の視線を受け取り、顾宁は安心させるような目配せをした。今はあまり説明できない。
顾蔓は驚いていたが、顾宁が今では主体性を持つようになったので、あまり干渉したくなかった。
顾宁は続けて言った。「退院手続きは済ませたよ。さあ、荷物をまとめて、家に帰って食事をしよう。お祝いだ」
「えっ!四さんが退院できるの?よかった。確かにお祝いしないとね」顾宁が家を見つけ、顾蔓も退院できるということで、みんな自然と喜んだ。
しかし、顾蔓母娘が医療費と入院費を払ったので、お金があまりないだろうと考え、顧晴は自ら食事代を持つと申し出た。「でも、言っておくけど、この食事は私がおごるわよ」