その時、原石鑑定師が一刀を入れると、皆が息を呑み、目を凝らしてその機械を見つめていた。
しかし、切り落とされた部分が剥がれ落ちると、露出したのは黄色と白色の石で、表面と同じように緑色は全く見えなかった。
途端に、皆が失望の表情を浮かべた。なんと表面だけが緑だったのだ。
「いいえ、ありえない、ありえないわ······」最も受け入れられないのは黎真真だった。確かに古坑氷種のヒスイだったはずなのに、どうしてなくなってしまったの!
「切って、もっと切って······」黎真真は少し狂乱したように叫んだ。
原石鑑定師は切り続けたが、相変わらず白い石ばかりだった。
黎真真は魂を抜かれたかのように、そこに立ち尽くし、動かなかった。
負けた、彼女は負けたのだ。
「黎さん、あなたの負けです」顾宁が促した。
顾宁の声を聞いて、黎真真は急に彼女を見つめた。何も言わなかったが、顾宁を見る目は陰険さに満ちていた。
顾宁は淡々と微笑み、気にする様子もなく、急かすこともなく、自分の磨いている原石に目を向けた。
「緑が出た」
興奮させる声が響いた。原石の表面に薄紫の輝きが見えた。ただし、窓が小さいため、色はまだはっきりしなかった。
何度か磨いた後、色が徐々に現れ始めた。それは薄い紫色だった。
「これは、まさかスミレじゃないだろうな!」
「えっ?まさか!」
スミレという言葉を聞いて、皆が驚き、呆然とした。こんなに衝撃的なことがあるのか!
「いいえ、そんなはずない、そんなはずない······」黎真真はひどく動揺し、精神が混乱し始めていた。
「表面だけ緑じゃないよね!」
「本当にスミレなら、この小娘の運はあまりにも逆天だ。3つの原石で、2つも高翡翠を出すなんて」
これを聞いて、皆が顾宁を見つめ、崇拝の表情を浮かべた。もちろん、羨望や嫉妬、憎しみの目もあった。
解石師匠が原石を完全に磨き、表面の粉を清水で洗い流すと、結晶のような輝きを放つガラス種スミレのヒスイが皆の目に飛び込んできた。