白箐箐はもう泣きたいくらいだった。まだ処女なのに、どうして蛇の卵を孕むことができるというのか？
彼女の潔白に関わることなので、きちんと説明しなければならない。
「誤解よ。私とカーティスはそんなことしてないわ……」白箐箐は言いながら顔が熱くなった。
梅米とパーカーは二人とも信じていない顔をしていた。
「交尾しないのに、どうして体に蛇紋がつくのよ？」梅米は笑いながら言った。白箐箐が若くて、オスとメスの関係のことを知らないのだと思っていた。
「え？」白箐箐は胸に手を当て、表情を何度も変えながら、試すように聞いた。「交尾すると、オスの獣紋が現れるの？」
「そうよ」梅米は答えた。
普通の獸人は交尾によって絆の力を結ぶのか？
白箐箐は突然、カーティスが言っていたことを思い出した。蛇獸には特別な絆の力の結び方があり、メスが関係を解消できないようにするというのは、これのことだったのだろう。
彼女はすぐに、この方法は絶対に広まってはいけないと気づいた。
もし部族のオスたちもまねをしたら、メスたちはその場で拒否できず、後で関係を解消することもできない。そうなれば悲惨な状況になるだろう。部族全体が混乱するかもしれない。
そこで白箐箐は説明をやめ、足を丸めて、足首の蛇紋に手を当てた。「今から始めてもいい？うっ！」
言いかけたところで、白箐箐のお腹に突然激しい痛みが走り、下半身が湿ってきた。
やっと生理が来たのか？
くそ、こんなに痛いのは、きっと中絶薬のせいだ。
いや、あの数日間があまりにも酷使しすぎたせいかもしれない。毎日冷水に浸かったりして。
パーカーは慌てて、白箐箐を抱きかかえた。「母さん、彼女どうしたんだ？」彼は鼻を何度もくんくんさせ、白箐箐の足の間を見た。「なんてこった、下から血が出てる！」
梅米も驚いて、息子の腕の中で丸くなっている白箐箐を見て、どうしていいかわからない様子だった。「私にもわからないわ。初めて人間が中絶するのを見たから……私、獣医を呼んでくるわ！」
そう言うと梅米は慌てふためいて走り出て行った。
