老太太が綿綿をこんなに気に入っているのを見て、墨夜司は唇の端を楽しげに上げた。「おばあさん、彼女がいいと思うなら、お土産をあげるべきじゃないですか?」
「この子ったら」
おばあさまは彼を睨みつけたが、目には溺愛と慈愛が満ちていた。「おばあさんがそんなことも分からないと思ってるの?安心しなさい、あなたの嫁に損はさせないわ。おばあさんはもう用意してあるのよ」
先ほど執事が報告に来た後、おばあさまはすぐに人にお土産を持ってこさせた。
それは彼女が早くから用意していたものだった。
何年も前から用意していたが、渡すことができなかった。
大切な孫が不思議なことに女性に興味を示さず、長年独身を通してきたため、おばあさまは心配していた。
用意した贈り物を渡せなくなるのではないかと恐れていた。
今はよかった。
喬綿綿に会った後、おばあさまは完全に安心した。
この孫の嫁は、彼女は満足だった。
孫の人を見る目は、さすがに間違いなかった。こんなに美しい孫嫁を連れて帰ってきたのだから。
このみずみずしい小顔を見ていると、心が楽しくなる。
このようなみずみずしい若い娘こそ、大切な孫にふさわしい。
墨夜司以外の墨家の人々は知らなかったが、墨おばあさまは実は外見重視だった。
彼女の気に入るのは簡単で、十分に見た目がよければよかった。
見た目が良ければ良いほど、彼女は好きだった。
喬綿綿は見た目がよいだけでなく、ちょうどおばあさまの好みの顔立ちだった。
綿綿自身も知らなかったが、彼女は顔だけで簡単におばあさまの認めを得ていたのだ。
もし彼女が知っていたら、きっと機会を見つけて薑洛離をおばあさまに紹介したことだろう。
結局のところ、顔フェチ同士は、年齢差がどれほどあっても、共通の話題を見つけられるものだ。
「行って、私が綿綿のために用意した贈り物を持ってきなさい」おばあさまは孫嫁を認めた後、呼び方まで変わり、「綿綿」と特に親しげに呼んだ。
こちら側は和やかな雰囲気だった。
一方、親密な態度で並んで座っていた墨奥様と沈柔の表情はあまりよくなかった。
沈柔は墨奥様が決めた嫁候補だった。