「ベイビー……」墨夜司が頭を下げ、セクシーな薄い唇を彼女の耳元に寄せて囁いた。「逃げようとしないで。怖がらないで、できるだけ優しくするから、痛くさせないよ。」
女性の初めては痛いと聞いていた。
あの夜、彼女は薬を飲まされた状態で、痛みで涙を流した。
しかし、その後の数回で、徐々に良くなっていった。
彼女の初めては既に彼に捧げていた。
だから……もうそんなに痛くないはずだ。
そして彼らの間では既に数回経験があり、そのたびに互いの身体も、他の面でも非常に相性が良かった。
墨夜司は、今夜は彼女に素晴らしい体験をさせる自信があった。
彼の唇がゆっくりと下がり、かすれた声で言った。「安心して自分を委ねて。快楽を与えるから。」
「ちょ、ちょっと待って!」
喬綿綿は体を硬直させ、泣きそうなほど緊張していた。「あ、あなた、先にお風呂に入るって言ったじゃない。」
「うん。でも、もう待てないんだ。」
腕の中の少女は魅惑的な香りを放ち、香り高くて柔らかい体を抱きしめていると、致命的な誘惑を放つ甘い飴のようだった。
彼を狂わせるほどに。
本来はただ彼女をからかうつもりで、この時点で彼女を求めるつもりはなかった。
しかし今、彼は火遊びの本当の意味を知った。
欲望が簡単に掻き立てられ、そして少しコントロールできなくなった。
彼の声は徐々にかすれていき、彼女の腰に回した手も少しずつ締まっていった。「ベイビー、いいだろ?」
「私は……」
喬綿綿がやっと一言言った時、天地がひっくり返るように、墨夜司に抱き上げられた。
彼女の返事を待たずに、彼は彼女を抱えて部屋の中の黒いベッドに向かって歩き始めた。
喬綿綿の心臓は激しく鼓動し始めた。
柔らかい大きなベッドに投げ出された後、彼女は恥ずかしさで目を閉じた。
逃れられないことを知っていたので、もう逃げようとも思わなかった。
彼がこんなに欲しがっているなら……与えてしまおう。
男はみんなこうだ。手に入れていない時は、何とかして手に入れたいと思う。