まだ独身で、恋愛経験もほとんどない彼は、思わず顔を赤らめてしまった。
時計を見ると、まだ11時前だった。
墨社長はこんなに早くから……セックスをするのか。
はぁ、やはり新婚さんは情熱的だな。
まあ、考えてみれば理解できる。
彼も若奥様のような美しい可愛い妻がいたら、我慢できないだろう!
喬綿綿が服の袋を受け取ろうとした時、ちょうど魏徵の意味深な表情を見てしまった。
彼女は「……」
彼女は聞くまでもなく、魏徵が何かを誤解していることを知っていた!
彼はきっと言家の若旦那と同じように、彼女と墨夜司がたった今セックスしたと思っているに違いない!
でも、彼女は本当に何もしていないのに!
*
10分後。
バスルームの水音が止んだ。
喬綿綿が一着の服をクローゼットにかけ、別の服を片付けようと振り返った時、墨夜司の声がバスルームから聞こえてきた。「綿綿、こっちに来て。」
男の声はもともとセクシーで魅力的だった。
湯気に包まれて、少しかすれた声は、さらに魅惑的だった。
喬綿綿は彼がきっと風呂を済ませたのだろうと思い、服を持ってバスルームのドアの前に行った。
彼女は手でドアをノックした。「墨夜司、ドアを開けて。服を渡すわ。」
言い終わるか終わらないかのうちに、「カチッ」という音とともにバスルームのドアが開いた。
白い湯気が争うように飛び出してきた。
喬綿綿は墨夜司がちょうど風呂を済ませたばかりで、きっとまだ服を着ていないだろうと思い、彼の方を見る勇気もなく、顔を背けて袋を差し出した。声は低く、少し緊張気味だった。「あの、服はここよ。早く中に持って行って着替えて。」
ドアの隙間から、男の低くかすれた声が聞こえてきた。「何を怖がっているんだ。食べたりしないよ。」
手首に力がかかり、男の熱い手のひらが覆いかぶさってきて、彼女をバスルームの中に引っ張り込んだ。
喬綿綿は驚いて叫んだ。「あっ!」
次の瞬間、彼女はバスルームに引き込まれ、男の熱く引き締まった胸に当たった。
バスルームの中は湯気でもうもうとしていた。