突然そんな視覚的衝撃を与える美しさを目にして、薑洛離は完全に呆然としてしまった。
喬綿綿も呆然とした様子で、目を瞬きもせずに彼を見つめていた。
墨夜司?
彼が、彼がどうしてここに来たの。
さっきの電話では、彼は来るとは言っていなかったのに。
呆然とした目つきで、顔を上げて彼を見つめる愛らしい少女を見て、墨夜司は唇を曲げ、一歩前に出て、彼女を腕の中に引き寄せた。
男性の力強い腕が彼女の細くしなやかな腰を抱き、薄い唇を少し上げて、低くやさしい声で言った。「僕を見て、うれしくて仕方ないの?」
喬綿綿:「……」
心臓の鼓動がまた制御不能になり、速くなった。彼女は瞬きをして、彼の極端に美しい顔を数秒見つめ、また瞬きをした。「あなた、どうしてここに来たの。」
「あなたに会いたくなったんだ。」
「……」
男性のあまりにも直接的な言葉に、彼女の頬がわずかに熱くなった。
彼らが別れてからまだ1時間も経っていないのに。
彼女の心の中で何を考えているかを察したかのように、墨夜司は低く笑い、大きな手を彼女の頭に置いて軽く撫でた。「ベイビー、恋愛真っ最中の男性の気持ちを理解してくれないと。あなたと1分でも離れるのが耐えられないんだ。」
「……」
喬綿綿は自分の心臓がさらに速く打っているのを感じ、これらの言葉を薑洛離も聞いていたことを思い出し、顔がますます熱くなった。
恋愛の酸っぱい臭いは薑洛離を嫉妬で顔を歪めさせることはなく、むしろ彼女は満面の笑みを浮かべていた。
その安堵と興奮の表情を見て、喬綿綿は口角を引きつらせた。
なぜか彼女が恋をしているのに、薑洛離の方が彼女よりも興奮しているように感じられた。
「わー、男神様、綿綿の荷物運びを手伝いに来てくれたの?こんなに気遣いがあって彼女を大切にする彼氏がいて、綿綿は本当に幸せね。」
薑洛離が大声で言ったこれらの言葉は、寮の中にいる二人にも聞こえた。
彼女たちももちろん、ドアの前に立っている墨夜司を見ていた。
男性の優れた外見と高貴で華やかな雰囲気は、どんな女性の心をも動かすのに十分だった。