彼女は化粧をしていなかったが、素顏の状態でも多くの化粧をしている女性よりも百倍も美しかった。
杜澤はたくさんの美女を見てきたが、今まで見てきた全ての女性を合わせても、目の前のこの美女には及ばなかった。
しかも、彼は女遊びを多くしてきた。
だから一目見ただけで、喬綿綿が美しいだけでなく、体つきもなかなかだということがわかった。これは顔と体つき両方が極上品と言える美女だった。
こんな大美人が目の前に立っているのを見て、杜澤は魂を奪われそうになった。
その場で決めた。彼はこの美女を手に入れなければならない。
杜澤の目に露骨に現れた欲望と野心があまりにも明らかで、喬綿綿はそれを見て眉をしかめ、目に嫌悪の色が一瞬過った。冷たく言った。「そうです。あなたが沈月月の義理の兄ですか？彼女の仕返しをしに来たんですか？」
杜澤は口にくわえていたたばこを取り、悪そうに笑って言った。「月月が君にいじめられたって言ってたけど、本当かい？」
「澤にいさん、この妖婦をしっかり懲らしめてください！」自分の味方が現れたのを見て、沈月月は地面から立ち上がり、喬綿綿を引き裂きたいような憎々しい表情を浮かべた。
喬綿綿は無表情で言った。「そうだとしてどうなの？そうでなかったとしてどうなの？」
杜澤は何も言わなかった。
彼のよからぬ目つきはずっと喬綿綿を見つめていた。しばらく見つめた後、唇を歪めて笑いながら言った。「月月と婷婷は僕の妹だ。君が彼女たちをいじめたなら、兄である僕が黙っているわけにはいかない。」
「でも……」彼は言葉を変え、唇の端の笑みがさらに邪悪になった。「君たちは同じ寮の仲の良い友達だ。きっと何か誤解があったんじゃないかな？」
「澤にいさん、あなた……」
彼がそう言うのを聞いて、沈月月と趙婉婷の顔色が急変した。
さらに杜澤が喬綿綿を見る目つきは、明らかに男が女に興味を持った時にする目つきだった。
二人の顔色が再び変わり、心の中で喬綿綿を何度も何度も密かに罵った。
本当に妖狐だわ。
男を見るたびに誘惑している。
杜澤は本来彼女たちの仕返しをしに来たはずなのに、今ではこの小娘に誘惑されてしまった。
