「危ない!」蛇が袁明の体に這い上がろうとするのを見て、葉淇は手にしていたナイフを取り出し、素早く蛇に向かって突き刺した。
蛇はすぐに体を曲げて折れ、その死体は二つに分かれて飛び散った。
袁明はほっとして言った。「ボスの反応が速くてよかった。そうでなければ、牢屋で死ぬのではなく、蛇の口の中で死ぬことになっていたかもしれない。それはあまりにも悔しすぎる!」
「こんな時に冗談を言っている場合か?」嚴治はほっとしたが、立ち去ろうとしたところで、彼らが蛇の巣を突いてしまったことに気づいた。
無数の蛇が彼らに向かって押し寄せてきた。
それらの蛇は色が異なり、緑色のものや黄色のものがあり、大きさや長さもさまざまで、同じように舌を出していて、非常に恐ろしく見えた。
しかも、これらの蛇は先ほどよりも速く動き、あちこちに散らばり、舌を出しながら三人を取り囲んだ。
袁明は最もおしゃべりで、すぐに飛び上がった。「終わりだ、終わりだ、これらの蛇はあまりにも恐ろしすぎる。もう逃げ出すことすらできない!」
「不吉なことを言うな、黙れ!」嚴治は表情を引き締め、葉淇を背後に守った。「ボス、怖がらないで。私たちがいるから!」
袁明は連続して頷いた。「そうだそうだ、食べられるとしても先に私たちを食べるはずだ。君はその機会に逃げるんだ!」
葉淇は二人を一瞥し、表情を引き締めて言った。「蛇が何を恐れるか知っているか?」
「何を恐れるんだ?」
「酒?雄黃酒?」袁明の頭上に疑問符が浮かんだ。「確か白お嬢さんが正体を現した時、許仙に雄黃酒を飲まされたんだよな。でも今、私たちには雄黃酒がないよ!」
嚴治は眉間にしわを寄せ、袁明を一発殴った。「お前は本当にいい加減にしろ。こんな時でもくだらないことを言うのか!」
「ここには雄黃酒はない。あるのは火だけだ!」
葉淇はそう言いながらバッグからライターを取り出し、服に火をつけて足元に投げた。
服は可燃物なので、火がつくとすぐに燃え上がった。
這ってきた蛇は火を見ると、すぐに後退した。
袁明は懐中電灯を通して、後退する蛇の群れを見て安堵した。「やっぱりボスは策がある。私たちはまた少し安全になった!」