彼女は怒って足を踏み鳴らし、不満そうに出て行った。
部屋に誰もいなくなった後、陸厲沉は以前のように葉淇の手を握った。
さらに1時間以上が過ぎ、葉淇の額には少し汗が滲み、体温は徐々に下がり、呼吸もだいぶ楽になった。
陸厲沉は再び彼女の体温を測った。
37.5度、薬の効き目はこんなに遅いのか？
陸厲沉は汗で濡れた葉淇の服を一瞥し、表情は氷のように冷たくなった。
彼は手を伸ばし、葉淇の濡れた服を脱がせた。
灯りの下で、再び少女の雪のような、磁器のような、白く輝く肌を見た。
陸厲沉はアルコールを持つ手が、思わず少し震えた。
彼は唇を固く閉じ、前回と同じようにガーゼにアルコールを含ませ、再び葉淇の体を拭こうと準備した。
ベッドの上の葉淇が少し動き、意識が戻ってきたようだった。
陸厲沉は彼女に近づき、低い声で言った。「葉淇、大丈夫か？」
葉淇は朦朧とした黒い瞳を開け、目の前の男性を見た。彼はまだ帰ってきた時と同じシャツを着ており、手にはアルコール消毒したガーゼを持っていた。そして自分の寝間着が脱がされているのに気づいた。
彼女の心臓は喉元まで飛び出しそうになった。すぐに掛け布団を引っ張って体を覆い、「ご主人様…私はもう大丈夫です。」と言った。
陸厲沉はアルコールガーゼを置き、彼女の手に触れた。今回は先ほどのように熱くはなかった。
少女が目覚め、熱も下がったのを見て、心が安堵した。
彼は葉淇を一瞥し、黒い瞳は思わず彼女の赤い唇に落ちた。
熱のせいで、彼女の唇は鮮やかで柔らかそうだった。
さっき薬を飲ませた時の感触が…陸厲沉はそれを思い出すだけで体中がしびれた。
テーブルの上の水杯を見て、さっきなぜもっと水を飲ませなかったのだろう？
少女が布団の中に隠れ、警戒して彼を見ているのを見た。
陸厲沉はいらだたしげに声を出した。「熱は下がった。自分でたくさん水を飲め。」
彼の表情は少し不自然で、そう言いながら水杯を彼女に渡した。
葉淇に多く水を飲ませたいわけではなく、ただ再び水を飲ませたい衝動を隠すためだった。
