福岡市は日本第六の大都市で、九州最大の都市であり、人口約150万人、また福岡県の県庁所在地でもある——玉竜旗大会はこの都市の博多区で開催される。
新幹線の車内は静かで、時折軽い咳と囁き声が聞こえるだけだった。夏織夏沙は可愛いワンピースを着て寄り添い、くすくす笑いながら自撮りをし、春菜は料理本を抱えて隣で静かに読んでいた。向かい側には無言の雪里と冬美が座り、二人の間には秋太郎という小僧が挟まれていた——これが福沢家の九州旅行団だ。
通路を挟んで、北原秀次の隣には陽子が座り、好奇心旺盛に窓の外を覗き込んでいた。北原秀次は当然彼女を一人で家に置いておくのは心配で、一緒に連れてきた。百次郎はペットショップに一時預けた——これが北原家の九州旅行団だ。
他の同行者は正式な試合参加者だ。式島姉弟、北原秀次と冬美の他、正式な試合メンバーには女子チームの3名がいる:三年生の方汁利子、二年生の越智秀、高野南。そして男子チームの3名:一年生の内田雄馬、二年生の長谷川継良、小由紀夫。
大小合わせて16人で、そのうち試合メンバーの交通費、宿泊費、食費は学校から補助が出るが、家族の分は式島姉弟の自己負担となった——北原秀次は最近余裕があったので、自分と陽子の分は自分で負担することにし、式島律の負担を軽減しようとした。
式島律は姉の夢を叶えるため、かなりの出費を覚悟した。長年の貯金が一瞬で消えることになりそうだ。
「お兄さん、あっちの冬美姉さんと雪里姉さんはどうして不機嫌そうなの?」陽子は初めて新幹線に乗り、想像していた列車とは違って新鮮で、しばらく眺めた後、北原秀次の袖を引っ張って小声で尋ねた。
彼女は少し内向的な性格で、人見知りだった。また、北原秀次について来たことで他の人に迷惑をかけるのではないかと心配していた。
北原秀次は微笑んで、彼女の耳元で囁いた。「気にしなくていいよ。期末試験で二人とも成績が悪かったんだ。」
今は8月3日で、夏休みが始まって一週間以上が経ち、期末試験と文化祭の騒ぎも終わっていた。数日前、学校からメールで試験結果が送られてきて、福沢家でまた大騒ぎになった。