Chereads / 私の彼女は悪女です / Chapter 113 - 第98章 何故まだここにいるの?_2

Chapter 113 - 第98章 何故まだここにいるの?_2

状況は更に悪化した。

北原秀次は立ち上がって私立大福学園のブルペンの方を覗き込んだ。コーチがなぜ指示を出さないのか見てみたかったが、同じ側にいたため見えなかった。そのとき、私立大福学園のスーパーバイザーも焦っているようで、数歩前に出て、必死にピッチャーに手振りで冷静になるよう指示していた。その後ろ姿を見て北原秀次は呆然とした。

見覚えのある人物だった。あの学校の医者鈴木花子ではないか?小ロブヘッドの病気を治療したあの人だ!

これは冗談だろう?学校の医者が野球部のコーチを務めるなんて?学校は狂ったのか?

北原秀次は信じられない様子だったが、他に教師もいないようで、確かに彼女が指示を出していた。鈴木花子を指さしながら式島律に尋ねた:「あの人は何をしているんですか?」

「引率のスーパーバイザーです。」

「コーチ?」

「いいえ、私たちの学校の野球部にはコーチがいません。鈴木先生は試合の引率だけで、学生が途中で事故に遭わないように付き添っているだけです。」

北原秀次は再び座った。まあいいか、おそらく私立大福学園は甲子園出場も無理だと思っているから、この方面にはまったく力を入れていないんだろう。学生たちに好きにやらせているんだ。

両チームの試合に対する重視度は雲泥の差だった。こんな状態で勝てるなんて、天が目を閉じているとしか思えない。

案の定、続く2イニングは完全な一方的な展開となった。内田雄馬が守るホームは階段室のように相手に自由に出入りされ、次々と点を重ねられた。彼も心が乱れ始め、バッテリーのボールさえ捕れなくなり、連続してミスを重ねた。相手を出塁させるか、得点を与えるかのどちらかだった。

最後には審判も我慢できなくなり、私立大福学園の闘志が完全に失われたのを見て、5回で試合を終了させた——甲子園決勝圏では「正式試合」という概念はなく、何点取っても構わないのだが、地方大会ではそういうルールがある。強すぎるチームと弱すぎるチームが対戦した時に、強いチームの体力を無駄に消耗させないためだ。

This is the end of Part One, download Chereads app to continue:

DOWNLOAD APP FOR FREEVIEW OTHER BOOKS

Related Books

Popular novel hashtag