彼らの前に広がる風景は果てしなく、ひび割れた高速道路がしぶとい雑草に覆われ、骨のような高層ビルが紅い地平線を貫くように尖っていた。かつて命に満ちていた川は干上がり、浅く停滞した水たまりとなり、その表面は太陽の抑えきれない光の下でかすかに輝いていた。この荒廃の中で、大地とイズミは言葉ではなく、痛みと喪失、そして共に生き残るために結ばれた脆い無言の絆で一つの単位となって進んでいた。
常に危険が迫る中でも、時折、静かな伴侶としての瞬間がその荒れた空間を突き抜け、まるでそれが…普通のことのように感じられることがあった。
大地はイズミの異常なほど正確な危険感知能力に慣れていた。彼女はいつも決まって、彼を止めるべきタイミングで手を挙げてくれた。
「止まれ。」彼女は低く、落ち着いた声でささやき、輝く瞳で地平線を見渡す。
大地は彼女の視線を追い、そこに不自然に揺らめく影の中で、赤い目が渇望のように地形を貪る様子を目にする。
ある夕暮れ、特に凶暴な影の生物の群れをうまく避けた後、大地はもはや好奇心を抑えきれなかった。「どうしていつも分かるんだ?」彼は静寂を破るように言った。
イズミの唇は微かに上がり、瞳の光が月明かりに反射した。「直感だと思う。」彼女は冷たいコンクリートに背を預けながら答えた。「それとも、私が君より長くここにいるからかもね。」
大地は静かに笑ったが、それにはほとんどユーモアはなかった。「そっか、じゃあ僕は新人だな。」と、頭を振りながら言った。
「新人じゃない。」彼女は優しくも確信を込めた声で言った。「ただ…まだ慣れていないだけ。」彼女の視線はしばらく彼に留まり、その後、微かな笑みを残して彼から目を逸らした。
だが、イズミの機転だけが彼らを生かしていたわけではなかった。大地は機械の体に対する不安を抱えつつも、何度もその揺るぎない決意を証明してきた。
腐敗したスーパーマーケットの廃墟から、醜い生物が彼らに飛びかかってきた時、彼は身動き一つ取らなかった。その怪物は異常な速さで動き、伸びた肢が空気を切り裂くようにヒュウッと音を立てた。しかし、大地の体はそれよりも早く反応した。彼の攻撃は正確で容赦なく、空っぽの通路を震わせるように力強く当たった。生物は地面に崩れ落ち、その歪んだ体は一度震えた後、静かに息を引き取った。
イズミは遠くからその様子を見守っていた。後に、彼らがスーパーの残骸を漁る中で、ようやく彼女は口を開いた。
「そんなことをする必要はなかった。」彼女は落ち着いた声で言ったが、その言葉には何か深い、言い表せないものが含まれているようだった。
大地は一瞬立ち止まり、彼女を一瞥した後、再び探索を続けた。「いや、必要だった。」彼は冷静に言った。瞳をしっかりと彼女のものと合わせながら。「僕たちは一緒にいるんだ。」
イズミはすぐには答えなかったが、しばらく彼に視線を注いだ後、再び作業を続けた。
その夜、彼らはかつて大木だった木の骨のような残骸の下で休んだ。その曲がった枝が霧のような空に向かって手を差し伸べるように伸びていた。上空の星々はかすかな光の点に過ぎず、その輝きは下の荒廃した世界によって薄れた。
しばらくの間、二人は沈黙して座り、彼らの機械的な体のうなり声だけが音を立てていた。しかし、その静けさには重さがあった。そして、イズミがその沈黙を破った。
「私たちが最後の生き残りだと思う?」彼女は柔らかく、少し壊れそうな声で尋ねた。
大地は少し考えた後、その問いが深く心に響いたのを感じながら、彼女の問いに答えた。「そうでないことを願いたい。」しかし、その声は不確かさを含んでいた。「でも、もしそうなら…」彼は一息つき、顎を引き締めた。「僕は続ける。何が起こったのか知りたい。なぜそれが起こったのか理解したいんだ。」
イズミは彼を見つめ、長い間その瞳で彼を観察していた。そして、静かな声で言った。「大地、あなたは違う。あなたには何かがある…まるで何か大きな目的があるみたい。」
大地は視線を逸らし、無意識に胸の空洞に手を当てた。そこに感じる空虚さは耐えがたく、常に不完全さを思い出させるものだった。「僕には特別なものなんて感じられない。」彼はほとんど囁くような声で言った。「ただ…壊れているだけだ。」
イズミは静かに近づき、ゆっくりとだが躊躇わずに手を彼の肩に置いた。その手は冷たく、しかししっかりとした感触を与えた。「時には、壊れたものこそが、強く作り直されることができるものなんだよ。」彼女の声は優しく、確信に満ちていた。
その言葉は空気の中に残り、大地の胸に重くのしかかるように感じられた。彼はその瞳を見つめ、そこで彼が長い間見たことのないものを見つけた。それは静かな強さであり、理解によって温められていた。
長い間感じなかったその温かさに、ほんの少しの安堵が生まれた。
「もしかしたら。」彼は低い声で、しかしもはや迷うことなく言った。「もしかしたら君は正しいかもしれない。」
イズミは小さな笑みを浮かべたが、それは彼女の瞳にまで届くことはなかった。しかし、その笑顔には否応なく温かさが込められていた。「休んで。」彼女は木の骨のような幹に寄りかかりながら言った。「明日はもっと厳しくなる。」
大地はうなずき、機械の心臓の音が静まるように目を閉じた。彼らの周りの世界は依然として壊れ、敵意に満ちていたが、初めて彼は完全に孤独を感じることがなかった。
そして、星々の薄明かりが頭上でちらつき、イズミの瞳にその光が映り込んだ時、大地は胸の中で希望の小さな光が芽生えるのを感じた。それは、終わりのない暗闇の中のかすかな火花のように。