「北原くん、あけましておめでとう!」
半月間に及ぶ冬休みも終わって新たな学期が始まり、北原秀次が自分の席にとりあえず座ったところ、式島律が笑顔で彼に挨拶してきたので、慌てて振り返って笑いながら言った。「阿律、あけましておめでとう!」
内田雄馬も近づいてきて大笑いしながら言った。「後学期だけだよ。次の学期が始まったら、僕たちも先輩になるんだよ!」四月上旬に学期が始まれば、彼らは二年生になる。その時には一年生が彼らに優しく「先輩」と呼ばなければならず、そして彼―内田雄馬は雄馬大爷をはったりすることができるようになる。
彼はとても興奮していたが、式島律は少し感傷的で、がっかりした声で言った。「でも、その時になったら、僕たちは一緒じゃないかもしれないよ。」
二年生からはクラス編成が再開され、文系と理系だけでなく、各クラスで優秀な生徒は特進科に編入される。だから、彼と内田雄馬は同じクラスになる可能性もあるが、成績トップの北原秀次は確実に引き抜かれるだろう。その時には、北原君が休み時間に自分に課題を教えてくれることもなければ、北原君と一緒におしゃべりすることもなくなるだろう。
北原秀次はなかなか気に入っている式島律だった。彼は温かい感じの男で、急いで笑いながら慰めた。「大丈夫だよ、阿律、同じクラスじゃなくても僕たちは友だちだよ。だから、よく会うことができるよ。」
彼の笑顔はとても優しかったが、式島律は彼の笑顔を見てぼんやりし、その笑顔に酔いしれてしまった。少し困った風に頭を下げた。「北原くん、言ってることは正しいよ。間違えた。友達であることは変わらないよ。」
内田雄馬もにっこりと笑って同調した。「そうだね、一日でも友達、一生でも友達!僕ら三人はずっと親友だよ!」
北原秀次は彼を一目見たけど、何も言わなかった。僕が言ってたのは阿律だよ。君を知ったのは僕が不運だったんだ!しかし、すぐに考え直して、まあいいか。このクズはちょっと風変わりだけど、友達としては大丈夫だと思った。
しかし、内田雄馬は彼の確認の視線を見て勇気を振り絞り、またしたたかな笑顔を浮かべて耳打ちした。「さて、仲良しの友達として最新情報を教えてあげるよ。僕が最初に手に入れた情報だけど、僕たちのクラスに転校生がやってくるんだよ!」