労働すれば報われる、それが公道だ。
だから、夏織と夏沙が毎日反乱を企んでいるのも不思議ではない。一日中無償で働かされ、家が労働改造キャンプのようになっている。誰でも気分が良くないだろう。彼女たちももう大人だし、何かほしいものがあったり、働いても給料がないから工夫を凝らして騙したり誘導したりするしかない。
冬美は少し気分が悪くなった。彼女がそのお金を自分だけのものにしようとしているわけではない。それは家族全員のお金で、彼女が一番年上で管理しているだけだ。将来的には全員に使うんだ。しかし、北原秀次の言うことにも一理がある。家の事情はだんだん良くなってきているから、これから妹たちを血みどろの資本家のように搾取するのは適切ではないだろう。
彼女は小さくつぶやいた。「好きにすればいい。どうせ貴方の分のお金だし、気にしなければそれでいい。」
春菜は給料問題に無関心で、何も反応しなかった。一方、雪里は気を引き締めて、自分がいくらもらえるかを計算し始めた。
北原秀次は彼女を一眼見て、静かに注意した。「雪里、これ以上宝くじを買うのはやめておきな。そのお金で好きなものを買ってごらん。」
雪里は大きな目で彼を見つめ、「秀次、人は夢を持つべきだ。私、絶対に特等賞が当たるんだから!」と真剣に言った。
そうか...私があなたのために勝ち取った権利を、宝くじへの底なし穴に突っ込むつもりなんだな?
まあいい、君が幸せならそれで。これからは僕が君のご飯を買ってあげよう。名目上の彼女として、僕の盾になってくれるなら、日常的にごはんを与えるのも当然のことだろう。
北原秀次は適当に放っておいたが、雪里が「食べる」ことを提起し、急激にお腹がすいてきた。周囲を見回して匂いを嗅いだ後、大きな美しい目に野性の光が宿り、無意識に振り返り始めた。
北原秀次が彼女を一瞬で引っ張り、「どこへ行くつもりだ?」と不思議そうに尋ねた。
雪里はあっちを指して言った、「あっちに野生動物の匂いがする!秀次、一緒に捕まえて帰ろう?」
「どんな野生動物?」冬美が振り返って尋ねた。山に入った以上、野生動物を捕まえて売るのも悪くない。小さな蚊でも肉だし、お金があっても浪費すべきではない。まともに生活しなければいけない。