「さすが方力だな。技術もスピードも一流校にふさわしいレベルだ」観客席には江海大學の学生だけでなく、スカウトたちもいた。彼女たちの仕事は普段からスター選手を発掘することだった。
方力のパフォーマンスを見て、会場は歓声に包まれた。女性ファンたちの目は既にキラキラと輝いていた。
「俺に惚れろ!でも、お前らのものにはならないぜ」方力はかっこいいポーズを決めた。
方力の活躍を見て、唐嫣は満足げにうなずいた。このダンクは彼女が意図的に仕組んだもので、相手のやる気を削ぐためだった。結果は期待通りで、今や夏天のチームは士氣が大きく下がり、さっきまで強気だった言旭も首を振るばかりだった。
反撃に出て、ボールを言旭に渡すと、言旭は素早くドリブルを始めた。彼のスピードは速く、相手のディフェンスをかわして、すぐにジャンプシュートを放った。動作も標準的だった。
バン!!
ブロック、それはブロックだった。方力が彼に思い切りブロックをかけたのだ。
ボールは再び篮球組の手に渡った。
シュッ!!
3ポイントシュート。
わずか1分で、篮球組は5点のリードを奪った。この結果に会場は歓声に沸き、一方で葉清雪のところは憂鬱そのものだった。始まってたった1分で、このような点差がついてしまったのだ。
彼女には最終的にどうなるか想像するのも辛かった。
「みんな、落ち込むな。次はボールを持ったら俺に渡せ」言旭は再び仲間に呼びかけた。
今回、言旭は自分一人でボールを持ち続けることはせず、虎鵬にパスした。虎鵬は体が大きいので、みんなの注目を集めることができる。そのタイミングで虎鵬は言旭にボールを渡した。
ボールを受け取った言旭は方力の姿を見たが、パスする気はなかった。彼から見れば、このチームで使えるのは自分と虎鵬だけで、他の人にパスしても意味がないと思っていた。
虎鵬は今マークされていたので、彼は自分でドライブを仕掛けることにした。
バン!
ボールを奪われた。方力が体をひねって、言旭からボールを奪い取った。その後、片手で力強くボールを投げた。シュートではなく、パスだった。前方にいた篮球組の選手がボールを受け取り、ジャンプしてダンクを決めた。
7対0、点差はさらに広がった。