ザデンは暗い玉座を見つめた。
彼は今や、その声が玉座に座る人物からのものだと確信していた。
「あなたは誰だ?」ザデンは尋ねた。「そして、なぜ私の名前を知っているんだ?」
その人物は座り直すと、部屋中に影を波打たせ、埃まみれでクモの巣だらけのカーテンが開いていた窓を閉じた。そして指を鳴らす音が聞こえた。
瞬時に部屋中のろうそくが灯り、部屋を照らし出した。
そして足音が聞こえ始め、次々と人々が現れるのが見えた。
長い白髪の男女たちだった。
体にクモの巣をまとい、恐ろしい姿をしていたが、同時に魅力的でもあった。まるで彼らに加わるよう呼びかけているようだった。
ザデンは今や、その人物の正体を目の当たりにした。
40代くらいの男だった。他の人々と同じように。長い灰色の髪で、肌は青白かった。
美しい緑色の瞳にもかかわらず、その目は死んでいるようだった。
生気がまったくなかった。
「あなたは誰だ?」ザデンは剣を抜いて全員に向けながら繰り返した。
男の頭には王冠が載っていた。「私は人狼の島の王だ」
これが皆が恐れていた男だったのだ。
力を持たないように見える男。そして何より、伝説は本当だった。
実際に人狼の島という場所が存在したのだ。
「用件を言え、心なきアルファよ」王は言った。
「どうしてそれを知っているんだ?」ザデンは驚いて尋ねた。
「我が王国に足を踏み入れる者は誰でも、知らぬ間に自分の情報を明かすのだ」王は答えた。「だから私はお前が誰かを知っているのだ」
「では、私がここに来た理由もご存知なんですね?」ザデンは目の前の巨漢をまだ信用できずに尋ねた。
王は空中で手を振ると、ダイヤモンドの杯が頭上に浮かんで現れた。
「お前は生命の杯を求めてきた」彼は言った。「お前の恋人を癒し、そしてその恋人がお前の迫り来る死の運命から救うためにな。違うかね、三日月群れのアルファにして光輪祭の勝者よ。私はお前のことをすべて知っている」
ザデンは手を伸ばして触れようとしたが、王が再び手を振ると、現れたのと同じくらい素早く消えてしまった。
「ここに足を踏み入れた狼は皆、これを求めてきた」王は言った。「お前は生きてこの城にたどり着いた数少ない者の一人だ」