コーラルの視点
コーラルは母親の寝室を飛び出すと、歯を食いしばった。
彼女は怒りに燃えていた。
もう30年近く経っているのに、母親は亡くなった妹を手放そうとしなかった。
何が問題なんだ?!
もう昔のことだ。
コーラルは子供の頃、スカーレットが消えた瞬間から、母親が自分から離れていくのを見てきた。
理想的には、母親は彼女に向き合うはずだった。結局のところ、彼女が最後の、そして唯一の生き残った子供だったのだから。
しかし、悲しみは母親をほとんど狂わせてしまった。
母親はスカーレットをどこにでも見ていて、しばらくの間、部分的に正気を失っていた。
その中で、コーラルは無視され、忘れられて育った。
ようやく21歳になり、女王になるはずだった時、彼女は妊娠していることを知った。
王家の血筋に呪いがあったため、ひどいことだった。
赤髪の人だけが王位に就くことができた。
王家に生まれた男性や女性は、赤髪であれば時々支配者になる祝福を受けた。
しかしコーラルとスカーレットの場合、二人とも赤髪で生まれた。
スカーレットが最初の子供だったので、簡単に決着がついた。彼女が女王になるはずだった。
しかしスカーレットが亡くなり、コーラルが女王になることになった。
しかし女王として戴冠式の日に、髪が黒くなったことで妊娠していることがわかった。
後継者が赤髪で生まれ、子供になると髪の色が黒に変わるというのは新しいニュースではなかった。
それは子供が赤髪で生まれることを示していたので、コーラルは法律によって女王になる資格を失った。
最終的に王位を継ぐのは娘のベルだった。
しかしあの子は。
妹のスカーレットにそっくりだった。
いや、そんなはずはない。
ありえない。
スカーレットは死んでいる。彼女は誰よりも彼女の死を100パーセント確信していた。
その子は偶然亡くなった妹に似ていて、赤髪だっただけだ。
それに、あの傷跡はひどかった。
スカーレットがそんなはずはない...
コーラルは頭を振って、考えることさえ拒否した!
ただその子を無視すればいいだけだ。
結局、母親は狂っているのだから。