ただエクモントだけがほんのりと笑みを浮かべ、ゆっくりと最上階のツリーハウスへ上がり、南方を見つめた。
見つめている。
彼の表情は次第に真剣さに変わった。
……
「ただ通りすがりのようだね、関係ないようだ。」
窓辺で、数人の赤土山の者がしばらく観察した後、そんな結論を出した。
赤土山から今回派遣された代表団は十数名で、その筆頭は、戦士のジェフリーズだった。
もちろん、双方ともに知っていた。西の谷には赤土山の一隊が潜んでいることを。
その部隊の人数は200人以上で、南貿易ステーションを脅かした一団だ。
苛立つジェフリーズは交渉のテーブルに戻った。
彼はローリングストーンズタウンの三人を見つめて一瞬にじり口を開いた。
「先ほど言っていたことは何だったか?」
隣の従者が補足した。
「おじさん、男装の麗人、胸毛の話だ!」
ジェフリーズはすぐさま口を開いた。
「ローリングストーンズタウンも度が過ぎるな!」
「ほんの三人で私たちと交渉しに来るのか?」
「誠意が全く見えない!」
リチャードは、自身の紳士の杖を軽く叩きつつ、感慨深い表情を浮かべた。「我面前で俺様ぶるヤンキーというのは相当な年月ぶりだ、懐かしい感じだな。帰ったらレイガに感謝の意を伝えておくとしよう、昔の日々を再体験させてくれありがとうとね。」
言葉が振るわり。
ジェフリーズの足元に散らばっていた草の紐が突然揺れ動き始めた。
それはジェフリーズの足首の周りを素早く縛りつけ、彼が何もできないでいるうちに、草の紐は驚くほどの力を発揮して彼を逆さまに吊り上げてしまった。
ザラザラ。
椅子が倒れる音。
赤土山の皆が驚愕の表情で、ご主人様が逆さ吊りにされてしまったことを目の当たりにした!
足首を縛っていた草の紐は上に投げられ、梁にかかり、自動的に死んだ結び目を作った!
「何をしたんだ?早く俺を降ろせ!」
ジェフリーズの顔は紅潮し。
彼の側近が救出しようとしたが、ゼラが指をほんの少し上げただけで、側近は「クワ」という音と共にカエルに変身してしまった。
他の人が動き出そうとした瞬間。
地面から急に十数本の草の結び目が出現した。