他の兄弟姉妹達がはいはいと動くことを初めて学び始めた頃、あなたは既に父親や母親のように剣を振り回し、槍を使いこなしていた。
あなたの才能はどんどん開花し、とても若い頃には狩りを学び、殺戮の道には生まれつきの才能を持っていた。
あなたの兄弟達が菌人をイジメている間、あなたはすでに地下のトカゲと取っ組み合いをしていた。
少し大きくなると、成人したハイエナマンでさえもあなたには敵わなかった。
その時、あなたの父母は大いに喜び、あなたを誇りに思い、より多くの意見を求めるようになった。
あなたの兄弟姉妹もあなたの周りに集まり、徐々に、あなたたちの家族はハイエナ人の部族で無視できない力となった。
このように順調に成長した。
数年後、あなたはその部族の首領になり、ハイエナ人の小社会で絶対的な支配者になった。
すべてのハイエナ人があなたの命令に従う。
あなたの手にある権力はあなたに満足感をもたらす。
しかし、その後は?
生まれてから部族の首領になるまで、あなたが学んだのは狩りと闘争だけだ。
この部族にはあなたにより高度な知識を教える人はいない。
年配の老人でさえ、薬草の見分け方や傷の治し方を教えてくれるくらいで、運がよければ子孫繁栄の秘訣くらいを伝授してくれるだけだ。
それ以外には何もない。
魔術?
それは無理だ。それはハイエナ人の魔術師だけが手がけることのできる才能の領域だ。
ある日。
邪悪な存在があなたたちの部族に訪れました。
その邪悪な影に対して、あなたたちには従うか全滅するかの二つの選択しかありませんでした。
当然のことながら、あなたたちは従うことを選びました。
その邪悪な存在はそれに大いに満足し、自らの恵みを下しました。
結果としてあなたは突如、強大な邪術師となり、超常的な力、あなたが密かに夢見ていた魔法の力を手に入れました。
その時あなたはふと気付きました。本当に魔法ってこんなに簡単に使えるのか、と。
しかし、誰もあなたに教えてくれませんでした。魔法には使い方がある、と。
そして、これら超常的な力を制御するためには更に高度な知識が必要だ、と。