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怒り自体が意味をなさない。
マシューはすぐに感情をコントロールした。
彼は早くから世界が常に複雑であり、人間が常に多面的であることを知っていた。ただ、前世の世の中は比較的に安穏だったので、彼はキーボード戦士としてインターネットで何度も一撃を与え、新鮮な出来事がないというジョークを何度も飛ばしてきた。
しかし、知っていることと直接経験したことは、結局のところ別物だ。
彼は手を広げ、静かに篝火の温度を感じた。
やがて。
マシューは深呼吸を一つし、目の奥の炎は消えていたが、心の中で燃え上がった火花は容易に消えることはなかった。
この事態を経た後。
彼は以前よりも一層、七聖連盟に参加することを渇望していた。
その時、ジャンゴ人の土着の歌と踊りの声が耳に入ってきた。
マシューは遠くを見渡した。
中央の高い塔とアルテルンの頭を囲んで、彼らは十数個の篝火を灯し、多くの若い土着が手をつなぎ、火辺りで歌い踊っていた。
彼らは、ドラゴン礼拝カルトを追放した後の喜びを心から享受していた。
ジャンゴ人の風習は大胆で開放的だ。
そうした祭りの上で、若い女性は自分が好きな男性に大胆に求愛し、男性が拒むと、女性は彼を森に引きずって行って強引に関係を持つことができる。
そして、雨林の西部部のいくつかのより古代の部族には。
「ブードゥ」の方法を掌握する若い女性は、好きな男性を服従させるための蠱虫や毒物を使うことさえある。
幸い、ドラゴン育成場の攻撃に参加した土着の部族は比較的に開化していた。
それらは主にブラックバニヤン族を中心とし、ヘッドハンター部族も混在していた。
だから彼らが強引に人を引っ張り込むことはあるが、毒を使った例はまだ見たことがなかった。
そして、このジャンゴ人達が起こした騒動の中で、ルミエは間違いなく一番目立っていた。
彼の力は雨林全体を見ても際立っており、ドラゴン礼拝カルトを追放する過程で、彼は非常に力を発揮し、ドラゴン育成場を攻撃する際には、ほぼ一人でランドファイアドラゴンの防衛線を突破し、ドラゴン礼拝カルトの竜調教師を倒し、非常に強力なドラゴンブラッド戦士のリーダーを素手で倒した。