……
ゴトゴト!
その黒黒しい物体が地面を転がり続け、右手側の岩壁にぶつかってようやく止まった。
マシューは見つめて見ると、それはエドセンの頭ではないかと。
「お前、彼を殺したのか?」
手に入れたばかりの贈り物と合わせて、マシューは事の次第を理解した。
レイラは重々しく頷いた。
「私の名前はレイラ、かつては天災教団に所属していた。
「今、私は君たちと取引をしたいと思っている。その証として、まずはエドセンの首を差し出した。
「彼は天災教団の南方の牧首で、天災教団全体で彼と同じレベルの人物は他に六人しかいない。
「私がこれをしたことで、天災教団へ戻る道は完全に断たれた。これで少しは君たちの疑念が晴れるだろうと思っている」
レイガがマシューに目くばせをした。
「警戒せよ!」
大宝剣を高く掲げながら、彼はいつでも戦闘の準備ができていた。
レイラは突然前へ一歩踏み出し、皆がその刺激に反応して手出ししようとした瞬間、ズール戦士が自分の全ての服を堅然と脱ぎ捨てた。
それは一瞬にして無音無息に。
布の一片一片が彼女の足首から滑り落ちる。
人々は思わず驚愕の眼を見開き、その姿はあまりにも心を揺さぶる───
元々は布で丁寧に覆われていた肌に、あちこちに打撲傷、烙印、血痂、腐敗した傷口と縫い合わせの痕、そして左胸には一部が切り取られた乳房が露出していた!
その光景は人々に凍りつくような恐怖を与えた。
「これは君達の教団の連中がやったのか?」
マシューが深刻な口調で尋ねる。
レイラは無表情に一枚一枚服を身にまとった。
「私たちの教団ではない。あなたたちとの協力が成功したかどうかにかかわらず、私はもはや天災教団の一員ではない。
"彼を父と呼んでいたが、私は彼の名前を知らない。しかし、彼は教団内部で最高の地位にあり、エドセンでさえ彼の前では腰が低かった。
「彼が邪神の子孫であると疑っている。彼の変わり者ぶりに私は恐怖を感じた。
「最後に罰された際、彼は私の脊骨を抜いた──彼によれば、無脊椎動物になることで彼の口から出る至高の存在を喜ばせることができると。彼は私に喜んで行うかどうか尋ね、私はもはや完全に崩壊していた。