マシューは穏やかに言った。
「鈎鎌さんが言ったことが全て本当だとは評価できませんが、そのリリーさんは明らかにあなたに虚偽を伝えています。」
「彼女はあなたの正義感を利用しています。」
ポポの視線は初めて揺らいだ。
彼女はこのような事態になることを全く想像していなかったようで、少々動揺している様子だった。
その感情はほんの一瞬だけだったが、マシューはそれを的確に捉えた。
「とても若い奇機師、正義感が強く、他人からの扇動に弱い、頑固、毒舌、コミュニケーション能力があまりないが、実力はかなり優れているようだ。」
彼は頭の中で素早くポポにいろいろなレッテルを貼った。
今のポポは明らかに少しずつ説得されつつあった。
彼女は顔が赤らんで、どう対処すべきかわからない様子だった。
だがまだリュックサックを必死に抱え続けていた。
マシューは視線で鈎鎌に彼女を刺激しないよう伝えた。
そして少しだけ前に進んでみた。
「どうしたんだ、ポポ、もし私を信じてくれるなら、まず爆弾を置いて、落ち着いて話し合いましょう。」
ポポは目を瞬かせた。
それからマシューに小さく言った。
「でも、でもこんな状況になって、何も爆破しないのはなんだか恥ずかしいような気がする...」
マシューは我を通り越して笑ってしまった。
ポポはその場で少しだけ迷ったが、最終的には爆弾をしっかりと固定し、背包を再び肩にかけた。
「この事情は、私が考えすぎてしまったみたいですね。す、す、申し訳ありません。」
マシューと鈎鎌の困った視線の中で。
彼女の謝罪の声は蚊の鳴き声のように小さかった。
……
「ヒント:あなたはほぼ避けられない衝突を成功裏に解決しました。あなたは均等領域の要素:調和* 10を得ました!
要素の累積が完了しました。
「均等」領域への初参戦の機会が得られました。参加しますか?」
……
雨林の奥深く。
狭い山の谷間で。
一声の哀れな鳴き声とともに、全身が緑色で小山のようなその怪物はついに谷の出口に倒れ込んだ。
恐暴龍が倒れる音はまさに山が動くほどの劇的なものだった。
しかし、今回は近くの動物たちが驚いて逃げることはなかった。