マシューは笑って、口論をせずに今後の行動に移った。
彼はアイラに道のりを見極めさせ、その間に風神翼竜と他の二体の君主レベルのモンスターから一路逃げ続けた。
約半時間走ったり歩いたりすると、ローランはおろか、マシューの体力さえも逼迫してきた。
二人は仕方なく、自然に形成されたTree Houseで一休みすることにした。
しかし、ほどなくして風神翼竜の厄介な鳴き声がまたもや耳に飛び込んできた。
しかし、今回はその鳴き声が数分間続いた後、だんだんと遠ざかっていった。
“今回は気付かれなかったようだ。”とローランはホッとした様子でつぶやき、かろうじて体力を保つ彼は全力で地面に倒れこむ。
“でも、風神翼竜はいつも狡猾だよ。彼らは一匹では我々を倒せないと思い、救援を呼びに行ったかもしれない。とにかく、ここに長居はできない。”マシューは提案する。“それとも、一人で先に行くべきか。彼らのターゲットは僕だから、君は関わらないだろう。”
しかし、ローランは躍起となり、即座に立ち上がった。
“僕を置き去りにするつもりだ!マシュー、僕が君と共に戦うと言ったら、老吉頭のように途中でくじけるつもりはない。僕は伝説の吟遊詩人になるつもりだ。僕の栄光に満ちた歩みには、仲間を見捨てる、なんて汚点は許されない。”
マシューは自分が一人で行くと言ってもローランが仲間を見捨てるとは言っていないことを言いたかったが、彼の意志は固く、そのような思いを捨てた。
“それなら、もう三分間休憩しよう。”
マシューが言った。
ローランはひとまず座り込み、彼は木によりかかりつつ、目をうつろにして murmured、“ああ、今やフラワーシティが懐かしい。失ってしまって初めて、どれほど素晴らしい場所だったかを理解するんだ。シンジール夫人も…うわーん、僕が沈んだとき、シンジール夫人はいつだって彼女の暖かい胸で僕を慰めてくれた。僕、疲れたよ。ああ、夫人、僕はあのときあなたを裏切るべきじゃなかったな…”
マシューは好奇心深く尋ねた。「だからシンジール婦人は、もともとその家の女主人だったのか?」
ローランは首を振った。「違う、女主人の妹なんだ。」
マシューと、首だけを出しているアイラは、驚きのあまり目を見開いた。
……