Chereads / その魔女を放っておけ / Chapter 280 - 第280章 赤水川伏撃戦(上)

Chapter 280 - 第280章 赤水川伏撃戦(上)

敵の船団が赤水川分岐点に近づく時間は予想よりも半日遅れ、四日後の午後になってようやく、十隻の帆船がゆっくりと視界の果てに現れた。

知らせを受けたヴァンナは六つの区画を順に通り、担当する砲組に準備命令を下し、その後自分の砲位に戻った。

「敵はどこだ?」ロドニーは窓の遮蔽板を細い隙間だけ開けて、外を覗いた。

「少なくとも数百メートル先だよ」信号旗の観察を担当するキャットクローは天窗に寝そべりながらぼやいた。「ここからは影も見えないよ、屋根の雑草が多すぎて」

各区画には銃眼の他に、天井の壁際に穴が開けられていた。二段の土の階段を上れば、赤水川の様子を容易に見渡すことができた。

「雑草と言えば、あの緑髪の魔女の能力は本当に信じられないよ」柚皮は少し錆びた砲弾を拭きながら言った。「彼女が通った場所では、薄い芝生が髪の毛のように狂ったように伸びて、バンカーを完全に覆い隠してしまう。まるで普通の土の塊みたいに見えるんだ」

「何が緑髪の魔女だ」ヴァンナは叱りつけた。「リーフお嬢さんだ。初めて公爵騎士団と戦った時も、両側の森に蔓を仕掛けてくれて、騎士たちが迂回できないようにしてくれた。あの鉄の塊どもが森を通って背後に回り込まれていたら、大変なことになっていたぞ」

「不思議さで言えば、どの魔女だって普通じゃないだろう?」ロドニーは肩をすくめた。「一晩でバンカーを築き、蔓や雑草で地面を覆い、空を自由に飛び、巨大な鳩に変身することだってできる——これらは普通の人間にはできないことだ」

「一番すごいのはやっぱりナナワ嬢だよ」キャットクローは憧れと期待に満ちた声で言った。「今回は光栄な負傷をするチャンスがあるかな。怪我したら、近くで会えるかもしれないし、慰めの言葉も聞けるかもしれない」

「しっかり敵の様子を見ろ!」ヴァンナは眉をひそめて叫んだ。「これ以上たわごとを言うなら、トイレ掃除を命じるぞ!」

キャットクローは舌を出して、また身を乗り出した。

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